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『ひと箱本屋とひみつの友だち』 赤羽じゅんこ はらぐちあつこ 絵 260

ひと箱本屋とひみつの友だち

赤羽じゅんこ(あかはね じゅんこ)文

はらぐちあつこ 絵

さ・え・ら書房

 小学校5年生の朱莉(あかり)は、ひと箱本屋カフェ「SHIORI」というお店の中で、「虹色本屋」という箱に展示されていた本がとても気に入りました。お店の人に聞いてみると、その作者は何と小学生だというのです。朱莉は、この本を書いた人に会いたいと思いました。

 カフェの店長さんの紹介で、その人、理々亜さんに実際に会ってみてビックリしたことがいくつかありました。一つ目は同じくらいの年の子だったこと、二つ目は初めて会ったのに話がとても合うこと、そして三つ目は彼女が車いすに乗っていたことです。

 

「やさしい仲間はずれ」「友情と同情のさかい」

 理々亜が歩けないから、学校の友達はそういう話題をさけているのがわかって嫌だとか、自分が親切にされるのは友達だからなのか、可愛そうだと思われているからなのかの境目がわからなくて嫌だとか、そういう話になると朱莉は悩んでしまいます。自分はできるだけ彼女の気持ちに沿いたいけど、どこまで手伝っていいのか、どこからが手伝っできるようにてはいけない部分なのかが、わからないんです。

 

 自分はいつも助けてもらう立場だから、いつも愛想良くしなければならないとか、いつもお願いしますというスタンスでいなければならないとかっていつも思っていたら、それはとてもつらいです。理々亜のお母さんは、そうであることを求めてきます。でも理々亜はそういう考え方に抵抗し続けています。

 障がい者に対して可哀想という気持ちで親切にしてくる人と付き合うのは疲れるとか、障がい者を差別する人とは徹底的に戦うという気持ちを持っている理々亜は偉いなと思います。黙っていたらわかってもらえないことなんだから、はっきりいうことが大事なのです。

 

 朱莉は少しずつそういうことがわかって来ました。自分がすべきことは決して特別なことじゃなくて、普通の友達として付き合うことだと気づいたようです。ふたりの友情がどんな風に続いていくのかが楽しみです。

2922冊目(今年260冊目)

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