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『The Elephant Man』 Tim Vicary 269

The Elephant Man

Tim Vicary

Oxford University Press

 身体の奇形のせいで歩くこともままならず、見世物小屋で辛うじて稼ぐことができていた「エレファント・マン」ジョゼフ・メリックが、ロンドンの病院に勤務していたトリーヴス医師によって発見されるというところから物語が始まります。医師ですから、様々な奇形は見たことがあるけれど、これほど驚かされたことはないというのです。頭も身体も両足も右手も異常に肥大化しているのです。でも、ジョゼフの左手を見て驚くのです。指は長く、肌も美しく、まるで女性の手のようだったのです。

 

 病院で暮らすようになってから、27歳で亡くなるまでの、最後の3年半は彼にとって夢のような時間だったのでしょうね。楽しく会話をする友達ができ、お芝居を観に行き、田舎の家で鳥と戯れることができるなんて、それまでの彼には想像もできなかったことだったのでしょう。

 こんなにもつらい運命を背負って生きたジョゼフ。最後の日々に幸せを感じていたのかなぁ?

 最期は死んでもいいと思ってベッドに横たわったのかしら?それとも、弱った身体が頭の重さに耐えられなくなって倒れてしまったのかしら?

 

 映画「エレファント・マン」を見たのはずいぶん昔のこと。デヴィッド・リンチ監督のこの作品、頭の中で再生されるのは白黒の船のシーンなのは何故なのかしら。

 この本を読み終わってから、映画のことを調べ直してみました。ジョゼフ(映画ではジョン)を演じていたのがジョン・ハートだったのは覚えていたけど、トリーヴス医師を演じていたのはアンソニー・ホプキンスなのに、全然覚えていなかった(汗)

 

 舞台でデヴィッド・ボウイが主人公を演じたことで話題になったこともありました。エレファント・マンの物語は、悲しいけれど、人間の尊厳を考える上でとても大事なものだと、改めて考えさせられました。

2931冊目(今年269冊目)

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