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『図書館のお夜食』 原田ひ香 262

図書館のお夜食

原田ひ香(はらだ ひか)

ポプラ社

 樋口乙葉さんは本が大好きで、書店員として働いていたのですが、店長が嫌な奴で店を辞めようかと思っていました。そんな彼女へ、東京の郊外にある「夜の図書館」で働かないかとオファーがあったのです。

 この図書館は普通の図書館とは違って、亡くなった作家たちの蔵書が集められています。開館時間は午後の7時から12時までの有料の図書館です。お給料はこれまでの所より数万円高いだけでしたけど、すぐそばにあるアパートが寮になっていて、家賃がタダという好条件もあって、ここで働こうと決心をしました。

古本屋と書店員と図書館員が一緒に働くことってなかなかないでしょ

 ここで働いている人たちは、それぞれが全く違う道を歩んできた人達でした。でも共通しているのは本が好きということです。

 

 この図書館へ毎日通ってくる人もいれば、卒論を書いたり研究のためにやって来る人も、ここへ本を寄贈してくれた作家のファンがやって来ることもあります。いずれにせよ、そんなに大勢の人がやって来る場所ではないので、どうして運営していけているのかが不明なところが気になる乙葉さんです。

 

第一話 しろばんばのカレー
 カレーがものすごくおいしそうですねぇ。そして「しろばんば」を読んでみなくっちゃね。

第二話 「ままや」の人参ご飯
 「ままや」といえば向田邦子さんです。女性一人でも、夜に美味しいごはんとお酒が楽しめる店というコンセプトで開かれていたのです。

第三話 赤毛のアンのパンとバタときゅうり
 みなさん「パンとバタときゅうり」のサンドイッチを不思議がっていましたけど、イギリスでは定番のサンドイッチです。みなさんおいしそうに食べてましたね。

第四話 田辺聖子の鰯のたいたんとおからのたいたん
 亡くなった作家の家から本を運び出すことになって、余りの本の多さに驚いたり、遺族である妹さんの冷たい態度にビックリしたり。

最終話 森瑤子の缶詰料理
 この図書館の秘密がいろいろとわかってきました。そして、最後に食べていたオイルサーディンの丼、おいしそうだわぁ。

 

 こんな図書館が本当にあったらステキですねぇ。夜だけ開館しているというのも魅力的ですし、館内のカフェでおいしいご飯も食べられそうです。

 

Oyashoku

2924冊目(今年262冊目)

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