『熟睡者』 クリスティアン・ベネディクト ミンナ・トゥーンベリエル 265
熟睡者
SÖMN,SÖMN,SÖMN
クリスティアン・ベネディクト
Christian Benedict
ミンナ・トゥーンベリエル
Minna Tunberger
鈴木・ファストアーベント・リエ 訳
Suzuki‐Fastabend Rie
サンマーク出版
Sleep, Sleep, Sleep 改題
夜に画面から受ける影響の大きさは、日中どのくらい光を浴びたかに左右されるということだ。長く太陽の光の下にいた場合は、日光に似たような光を夕方から夜にかけて浴びても、脳はそれほど敏感には反応しない。
したがって、真の問題はデジタル機器ではなく、太陽の光の不足にあると考えられる。だからこそ、日の短い季節は特に、太陽光を少しでも逃がさないようにするのが重要だ。P132
睡眠を阻害するものとして知られるブルーライトは、日光と似たようなものだと脳が勘違いしてしまうために、夜になっても見続けていると、体がまだ昼間だと勘違いするから興奮状態が続いてしまいます。だから寝つきが悪くなるのです。もちろん夜遅くまでスマホやPCを見ることは避けた方が良いけれど、昼間に太陽の光を十分に浴びていれば、影響は少なくなるというのは、面白い見解です。こういう研究をしているのは、冬になると日照時間が短くなる北欧の人だからこそなのでしょうね。
睡眠中に脳に「空きスペース」ができる P141
睡眠は何故大事なのか?それは脳が昼間にため込んだ情報を処理する時間だからなのです。充分に睡眠時間を取らないと、この処理が終わりません。ということは、捨てなければならないものまで処理されずに残ってしまい、脳中のスペースがいっぱいになってしまい、ゴミ屋敷になってしまいます。すると、新しく処理しなければならないことの処理に時間がかかったり、処理できなくなったりしてしまいます。それが続けば認知症の発症も促してしまうって、怖いなぁ!
7時間未満睡眠では「甘いもの」に抗えない P223
睡眠不足は過食や甘いものの大量摂取が起きやすいというのは、恐ろしい話です。世間でグルメの話ばかりしているのは、実はこれが原因だったりするのかもしれないなぁ。睡眠不足の代償として食欲に走るという公式は覚えておいた方がよさそうです。
「ナチュラルキラー細胞」は眠って活発になる P245
生きていれば、ケガもすれば病気にもなります。そういう時に身体の中で戦ってくれているのがナチュラルキラー細胞なのだけれど、これが弱ってしまっているために病気にかかったり、治るのに時間がかかったりしてしまうということも覚えておかなければ!
体は寝足りないと「血糖値」を上げる P258
睡眠時間が不足すると血糖値も上がります。糖尿病は糖質や炭水化物の取過ぎが原因と言われますけど、睡眠不足もそれを助長するのです。
とにかく睡眠不足は、ありとあらゆる不健康な状態を生み出すのです。どれだけ栄養に気をつけようと、きちんと運動しようと、睡眠時間が足りなかったら意味がないのです!
日本人は世界的に見て睡眠時間が不足しています。働き過ぎで睡眠不足になり、病気になってしまうというのはイヤだなぁ。健康に長生きしたいなら睡眠時間をしっかり確保することが大事なのだと納得しました。
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