『すべての神様の十月 2』 小路幸也 289
付喪神ってのは人間が大事に使ったものに宿るんだ。
その条件ってのはな、愛情なんだよ。慈しみ愛おしみ大切にする心だよ。その人間の心が<付喪神>を作るんだよ。
<付喪神>はな、ある意味では人間の愛が生み出す神様なんだ。
その愛は、巡り巡って人間を愛おしむんだ。
日常生活のいろんな場所で神様が見守ってくれていると思うと、ちょっと幸せな気持ちになります。
無くしてしまったと思った大事なものを誰かが拾っていてくれたのも、鳥の声で目覚めることも、ごはんをおいしく食べられるのも、きっとそんな神様のおかげなんじゃないかしら。
福の神も、貧乏神も、死神も、みんなわたしたちのために働いてくれていると思うことって、とても大切なことだと思えてきました。
今日はツイてなかったなと思った日でも、夕焼けがきれいだったら、それで救われることもあるんだから、神様たちに感謝しないとね。
この10篇が収められています。
・戌の日に
・お稲荷さんをよろしく
・天狗さまのもとに
・死神に恋
・眠れぬ夜の神様
・笑う門には福来る
・落とした物を探しています
・引きこもりにおじさん
・子供は風の子
・七回目の神様
2951冊目(今年289冊目)
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