『カタリン・カリコの物語』 デビー・ダディ ジュリアナ・オークリー 293
カタリン・カリコの物語
デビー・ダディ 文
Debbie Dadey
ジュリアナ・オークリー 絵
Juliana Oakley
竹内薫(たけうち かおる) 訳
山内豊明(やまうち とよあき) 医学監修
西村書店
NetGalleyJP
今年(2023年)ノーベル生理学・医学賞を受賞したのはカタリン・カリコ氏です。
ハンガリー生まれの彼女は、mRNA(メッセンジャーRNA)をワクチンに利用する方法を発見しました。この大発見のおかげで新型コロナウイルス感染症が世界で大流行した時に、短期間でワクチンが作られ、多くの人々を救ったのです。
こんなすごい研究をしてきたカリコ氏ですが、mRNAの開発は苦労の連続でした。ハンガリーの財政難で、研究資金を出してもらえなくなった彼女は、アメリカのテンプル大学へ行くことになったのですが、当時のハンガリーではお金の持ち出しに制限がありました。でも、既定の100ドルではどうにもなりません。1000ドルをテディベアの中に隠して、2歳の娘に持たせて飛行機に乗ったというのですから、もの凄い勇気です。
夫と幼い娘との3人で、知っている人が誰もいないアメリカへ渡ったカリコ氏。その後も大変なことばかりでしたが、研究を続け、ついにmRNAワクチンを作ることができたのです。
カリコ氏がこの研究を諦めずに続けられたのは、彼女の努力はモチロンですけど、家族の協力あってこそだったのです。
彼女のような研究職の女性がもっと活躍できる国に、日本もなって欲しいと思うのです。
#カタリンカリコの物語 #NetGalleyJP
2955冊目(今年293冊目)
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