『非属の才能』 山田玲司 288
子どもの未来は、「親が子どもの失敗をどれだけ許せるかできまる」と考えていいと思う。P74
「三人寄れば文殊の知恵」というが、それは自分の頭で考えることができる人間が集まった時の話で、「三人寄れば場の空気で」と言ったことの方が多いのが現実だろう。P105
今の時代、周りから浮いてしまうから学校へ行きたくない、学校が嫌いだという子が大勢いるのは確かです。その理由を考えてみると、親や先生の過干渉が原因であるような気がします。どうしてそこまで?と思うほど子供の行動に口を出す大人の存在が、子どもの心を蝕んでいるんじゃないかなぁ?
勉強してればいいんだからほかのことなんかしなくていいという考え方って、いつごろから増えたんでしょうね。そういう風に育てられてしまったら、勉強が不得意な子はツラいだけだろうし、家事もできなけりゃ、判断力もない大人を粗製乱造しているだけな気がします。
みんな同じように大学へ進学するってことが平等だと勘違いしている人が増えてしまいました。それ以外の道はないと信じてしまっているのかしら。だとしたら、そのレールにうまく乗れない子はどうすればいいの?
たしかに、みんなと違う生き方をしていると、群れからは「孤立」しているように見えるかもしれないが、案外、自分自身でいられるという意味では「孤独」じゃなかったりする。P200
人はそれぞれに個性があります。手先が器用、運動神経がいい、ゆっくりだけど着実に作業できる、新しいものを見つけるのが上手い、お祖母さんと話をするのが得意、動物が好き・・・。そういう、他人と違うところが大事なはずなのに、みんな同じ枠にはめてしまおうとするから、おかしなことになってしまうのです。
自分の才能をやみくもに探してみたりするけど、自己肯定感は低いというのが、現代日本の若者の典型であるような気がします。もっと自信をもっていいのにね。得意じゃないことを無理してやったってしょうがないんだから。「努力は報われる」とか、偉そうな言葉に踊らされなくていいんだから。とにかく何かやってみようよ。上手く行かなくたって、それも大事な経験なのだから。
「書店員X」で紹介されていたので興味を持ち、この本を読みました。何かに属さないということが、悪いことだと思わされてしまう世の中こそ、変わるべきなのだと思いました。
2950冊目(今年288冊目)
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