『さだまさしが聞きたかった、「人生の達人」タキ姐のすべて』 さだまさし、加藤タキ 276
(関白宣言が世間で叩かれまくった時に)その議論を笑い飛ばしたのが加藤シズエ先生だった。「男はこれで良し、女もこれで良し、この歌はこれで良し」と僕をかばってくださったのだ。(はじめに より)
シズエ先生の娘であるタキさんとさださんは大の仲良しです。最初は通訳として、のちに外国の方を日本に招くと時のコーディネーターとして活躍されているタキさんが、どうして英語に興味を持ったのか、どんな子供時代を送ったのか、外国の方とどのようにコミュニケーションをとっているのか、などのお話は、どれも面白いし、時々挟まれるさださんの話も波乱万丈です。
タキ 例えば英語だと、「この芝生に入るな」って否定的に言わないで、「Keep away」とか「Keep off」とnotを使わず肯定的に表現するわけ。けれど、日本語は「この芝生に入るな」というように、すべてが「○○してはいけない」というネガティブな感じで注意する。だから言葉からくる考え方、思考が常にポジティブなのと、常に否定されて、じゃあどうしよう、じゃあどうしようっていうのと、長年の間にはだいぶ違ってくると思う。
まさし タキ姐、それは今の日本にもいっぱいあって、それはルールとマナーなんですよ。今でも日本人は、ルールという線引きとマナーという自分の許容量が、同居できていない。だから「これはルールです」と言われると、従うんです。「これはマナーです」という「別にいいじゃん」となるわけですね。(本文より)
おふたりのこれまでの人生を語るうちに、日本という国の息苦しさの話にもなってきます。もっと自由にしていていいはずなのに、どこからか圧力がかかって来る、どこからかバッシングが聞こえてくる、そういうのは何故なのかしら。
タキ 42歳で私が息子を生んだときに、90歳で初孫を授かった母が「この子の若いうちの挫折を恐れるな」と産院の病室で言ったの。「若いうちなら何度でも立ち上がれる。」
シズエさんから「お前は気が利くから、何でも先回りしてやってしまう。それでは子どもはちゃんと育たない。手を出さずに我慢することを忘れるな」と言わたというタキさん。凄いですよねぇこの親子。そういうことをキチンと話し合える家庭ってどのくらいあるのかしら。
子どもの将来を気遣うのと過干渉なのは紙一重。学校も社会も過干渉になってしまうのは、そこにも原因があるのかもしれません。
この親子や、さださんとタキさんのように、実直に話をすることができる人がいるというのは、とても大切だし、羨ましいことだなと思いました。
#さだまさしが聞きたかった人生の達人タキ姐のすべて #NetGalleyJP
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