『若冲』 黒田志保子 287
京都の青物問屋「枡屋」の長男として生まれた忠兵衛さん。4代目としてこの店を継ぐことが生まれた時から決まっていて、そのための勉強をしなければならないのだけれど、どうにも気が乗らないのです。せめて文字だけでもうまくなって欲しいという父親の希望で、近くの寺の大典さんという若いお坊さんがやって来ることになりました。
この方はまだ11歳、忠兵衛さんより3つ年下なのですけど、とても落ち着きがあって、書の勉強をする気がない忠兵衛さんに優しく接してくれます。書はなかなかうまくなりませんけど、大典さんと忠兵衛さんは仲の良い友人になりました。
忠兵衛さんは絵が大好きなのです。筆を持ったら字を書くよりも絵を描きたくてしょうがないんです。書の勉強のふりをして、店の売物の野菜の絵ばかり描いていたのです。
そんな忠兵衛さんですけど、家を継がなければならないことはよくわかっています。でも絵も描きたい。その2つのことの板挟みになって悩む毎日でした。彼に人生のヒントを与えてくれたのは、やはり大典さんでした。
忠兵衛さんがいかにして絵師・若冲となったのか、というストーリーは実に面白いのです。そして、そのきっかけとなったのが「ぞう」との出会いだったというのは、きっと運命だったのでしょうね。
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