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『戸村飯店青春100連発』 瀬尾まいこ 313

戸村飯店青春100連発

瀬尾まいこ(せお まいこ)

文春文庫

2009年 第24回坪田譲治文学賞受賞

メニューはチャーハン、ラーメンに八宝菜。大阪の超庶民的中華料理店、戸村飯店の二人息子は、要領も見た目もいいクールな兄・ヘイスケと、ボケがうまく単純な弟・コウスケ。兄は長男のくせに店を継ぐ気配も見せないまま、東京の専門学校に進学してしまう。弟は、高校を卒業したら俺が店を継ぐと思っている

 弟のコウスケは、兄ヘイスケは要領が良くてずるい男だと思っているし、逆にヘイスケはコウスケのことを「あいつは人から愛されるタイプでうらやましい」と思っている。コウスケは、両親は兄に甘いと思っているし、ヘイスケは、弟は両親に可愛がられていると思っている。でも、お互いにそんな話をしたことはない。

 ヘイスケは高校卒業後、東京へ行ったけど、専門学校はサッサとやめてカフェのバイトに精を出し、こういう仕事が実は好きだったんだと気がついた。彼女もできたし、友達もできて、いい人たちに囲まれるようになって、ちょっと考え方が変わってきたような気がする。

 高校3年生になったコウスケ、卒業後はは店を継ぐつもりだったのに、父親からダメと言われてしまって、初めて兄に相談しなけりゃと気づいた。

 ヘイスケとコウスケ、これまでは勝手にアイツはこんな奴だって思い込んでいただけなんだなぁ。2人で話し合ってみたら、意外と分かり合えちゃったのね。同じ家に住んでいるときにはぶつかってばかりだったのに、離れて暮らす時間ができたことが良かったのかな。

 この兄弟、2人ともいい奴なのに、自分のことを上手く説明できないってところだけそっくりだから、これまで上手く行かなかったんだろうなぁ。これからもいろんなことがあるだろうけど、ヘイスケとコウスケは力を合わせて生きて行けそうでヨカッタ!

 戸村飯店のお父さんが作るチャーハンは、きっとおいしいんだろうなぁ。

2975冊目(今年313冊目)

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