『黒と白のあいだで 翔の四季 秋』 斉藤洋 320
翔は不思議な体験をしました。普通なら車が近寄ってくればその音が聞こえるはずなのに、車が自分の横を行き過ぎてから音が聞こえたのです。その後も、同じようなことが何度かあって、どうして見えていることと聞こえてくることに時間差があるんだろうと不思議に思っていました。
その話を仲良しの涼くんに話したら、彼の亡くなったおじいちゃんからこんなことを言われたというんです。
世界は見えたままじゃない
世界で起こっていることは、見えたままじゃないし、聞こえたままでもない。同じことを体験しても、それをどう感じるのかは人によって違う。自分は黒と思っても別の人にとっては白かもしれない。
そういうことを6年生で気づける翔と涼は、物事をよく考えている子たちなのでしょうね。大人になっても何にも考えていない人が多いけど、だからこそ起きる不都合があるということを、このくらいの歳から考えるのは、とてもいいことだと思いました。
先生だろうが、親だろうが、友達だろうが、自分と全く同じ価値観の人なんていないのだから、それを無理やり同じにしようとするのではなく、「人それぞれ」って理解するのって、とても大事なことなんだなって思うのです。
2982冊目(今年320冊目)
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