『人間椅子』 江戸川乱歩 321
「カドブン夏推し2023に挑戦!」のプレゼントでこの本をいただきました。
どの作品も、相手に聞いてもらってはいますけど、基本は一人語りです。とつとつと語り始めて、気がつくととんでもない世界がそこに広がっていきます。
「人間椅子」と「押絵と旅する男」は再読なのですが、ストーリーをわかっていても面白いのは、さすが江戸川乱歩なのでしょうね。
どの作品も、サスペンスとホラーが上手く混ざり合っていて、実に面白いです。時代が変わっても、人間の欲とか悩みというのは変わらないということを強く感じました。何かに情熱を燃やしていくうちに少しずつ偏執的になっていく人間の怖さが、こんな人が実は自分のそばにもいるんじゃないかという思いにつながって来て、それがドキドキにつながって来るのかなぁ。
この8編が収められています。
・人間椅子
・目羅博士の不思議な犯罪
・断崖
・妻に失恋した男
・お勢登場
・二廢人
・鏡地獄
・押絵と旅する男
2983冊目(今年321冊目)
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