『京都を歩けば「仁丹」にあたる』 樺山聡 京都仁丹樂會 327
京都の街角に残る、「ヒゲの紳士」が描かれた「仁丹」の町名看板。この看板は京都市内でかつて1,000枚以上が確認されていたが、今や550枚にまで落ち込み、絶滅の危機に立たされている。
「仁丹」の謎に包まれた来歴を解き明かすとともに、この迷宮の奥にある時空散歩を楽しむ!
京都に仁丹の町名看板があるということは知っていましたけど、こんなにも凄い歴史が隠されていたとはただ驚くばかりでした。
町名表示の看板は、現在は自治体が作っていますけど、明治時代にはそういうモノがなくて郵便配達人や、土地勘がない人が町を訪れた時にあったら便利だよねという企画が「仁丹」で生まれたのです。でも、さすが京都ですから、町中に掲示するものは、町の景観を壊すような派手な色を使ってはいけないなど、町の掲示物に関しては様々な条件があったのです。
単なる広告はダメなのですが「公益の為なら許可する」という条項があったのです。住居表記をメインにした看板なら地上から八尺(240cm)以上の位置であれば掲示できるのです。早速、仁丹は看板を作り、町の中に掲示するようになったのです。
最初は木の看板でしたけれど、木だと劣化が早いということで、琺瑯看板に置き換えられていきました。現在残っている木製の看板は数少ないのですが、琺瑯看板を設置するときに、木の看板の上に乗せるように設置したものがあり、そのおかげで木の看板の文字が保存されたという不思議な事実がありました。
仁丹の町名看板は家の壁に直接打ち付けてあるものなので、震災や火事などで失われたものが多数あると考えられます。そして、最近では家が老朽化し、解体するときに一緒に廃棄されてしまうものもあるのだそうです。それを惜しいと思うご近所の方が譲り受け、そのお宅に掲示するということもあり、時として看板の住所と現実の住所が一致しないこともあるのだそうです。でも、そんなことよりも看板が保存されることの方に重きを置いている京都の町っていいなと思います。
非常に数は少ないですが、仁丹以外にも「大丸」や「メンソレータム」などの看板も存在するとのことで、こういうものを探しに行く旅というのも楽しいでしょうね。
仁丹の看板を見に、京都へ行きたくなりました。
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