『横浜・山手図書館の書籍修復師は謎を読む』 宮ケ瀬水 362
大学生で本好きの藤本読也くんは、横浜の山手図書館でアルバイトをすることになりました。司書のお手伝いだと思って行ったのに、配属されたのは修復棟で、そこで働く書籍修復士の波々壁(ははかべ)さんの手伝いをすることになりました。
波々壁さんは本の修復が本業ですが、もう一つ大事な仕事として「物語に囚われている人間を救い出す」ことをしているというのです。そのためには膨大な物語の知識が必要なので、読也くんにも手伝って欲しいと言われたのです。
本を読んでいて、自分が物語の中の登場人物になってしまったような気持ちになることは確かにあります。でもそれは、本を読んでいる間だけのこと。本を閉じれば元の自分に戻れるはずなのですが、まれに戻れなくなってしまう人がいるのです。物語に囚われてしまい、命を落とす人までいるとは、実に怖い話です。
・Prologue
・第一話 微笑みの優しさ
・第二話 免罪符
・第三話 穴
・第四話 弾劾
物語に囚われるという現象は、誰かに心を奪われるとか、神様に従うとかということにもつながります。
神はけっして、人間にとって都合のいい存在ではない。なんでも思い通りに叶えてくれるものではないんだ。神に祈るときは、その文言にもよくよく注意しなければならない
祈ったことが、自分が思ったような形で叶うとは限らないということを、波々壁さんは言っているのですが、これはなかなか重い言葉ですね。
ストーリーはミステリーっぽいのですが、書籍修復士の仕事についてもなかなか面白くて、書籍の謎に迫るというストーリーで続編があればいいなと思うのです。
3024冊目(今年362冊目)
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