『謎解きはディナーのあとで』 東川篤哉 360
国立署の新米刑事、宝生麗子さんは上司の風祭警部の自慢話に毎日うんざりしています。事件現場へも愛車ジャガーで登場するし、現場での発言もバカバカし過ぎるし、でも上司だから失礼がないようにお相手をしています。 実は麗子さん、世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様なのですが、仕事場ではそれは内緒にしています。だって特別扱いされたくないんだもん!
難解な事件解決に挑む麗子さんは、悩んだ挙句、執事兼運転手の影山に話をしてみたんです。すると影山がひと言、「お嬢様の目は節穴でございますか?」というじゃありませんか!じゃぁ、説明してごらんなさいと言うと影山は見事に謎を解いてしまうのです。
この作品はドラマ化もされていて、そちらも人気だったそうですが、わたしは見ていません(笑)
麗子さんを北川景子さんが演じているのは納得したのですが、執事の影山は、もう少し細身で背が高い人というイメージなんだけどなぁ。
影山はアームチェア・ディテクティブ(安楽椅子探偵)で、素晴らしい想像力を使って事件を解決していくのですが、その元となる情報を語る麗子さんの伝える力は素晴らしいんじゃないかしら。想像力は不足しているかもしれないけれど、実際に起きたことをキチンと伝えるているからこそ正しい答えが導かれているのですよね。
彼女がツッコミどころ満載なお嬢様だからこそ成り立つこの物語。なかなか面白かったです。
でも、一番面白かったのは、《風祭警部という存在をわかりやすい例でたとえるなら、「花形モータース」の御曹司の花形満が阪神タイガースに入団しそこなって、仕方なく受けた警察官採用試験に合格し、そのまま警察官になったようなもの と言えるかもしれない。》という所でした。今時の子にはわかんないだろうなぁ(笑)
3022冊目(今年360冊目)
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