『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』 三宅香帆 361
自分の推しについて文章を書いているのだけど、いつも同じような文章になってしまう。「推しの曲を聞いて感動した」とか「大好きなアニメを見てやばい、泣けた」とか、ついつい書いてしまうけど、これじゃ何も伝わらないじゃないか!という点について、三宅さんはいろいろとレクチャーしてくれます。
最近のようにSNSが発達してしまうと、自分が熱く語ったつもりの文章と同じようなものを目にすることも増えます。そして感じるのが「どれも同じに見える」ということなんです。同じような気持ちになったというところまでは良くても、わたしと他の人の違う所が見えないというのは、なんだかつまらない気がするんです。
そこで三宅さんが提唱するのはこんなことです。
自分の言葉をつくるための3つのプロセス
①よかった箇所の具体例を挙げる
②感情を言語化する
③忘れないようにメモする P71
そして、さらに文章をブラッシュアップするには感動ポイントを「細分化」すべきだというのです。
例:推しの「あのセリフ」が響いた
推しの「衣装」がよかった
推しの「こんな振りつけ」がかっこよかった
漠然と「○○さんがカッコよかったと」言っても、何がいいんだかわかりません。「○○さんが空に向けて腕を伸ばし、ささやくように歌い出したところがカッコよかった」というように、細部を描写することでオリジナリティが出る。そうよね、確かにそうだと思います。
「推し」という言葉はファンとかマニアというものと通じるところがあるけれど、少し違いがあります。ファンやマニアは、自分が誰かや何かを好きであるだけで成立しますけど、「推し」のばあいは、対象となる人や物を多くの人に知って欲しい、情報を提供したいという気持ちが強いんです。だから写真や動画だけでなく、言葉でも「推し」たいのです。
自分らしい推しとは、自分がそれを好きであるポイントが何であるかを見つけること。他の人はこんなこと気がつかないでしょという思いを表現することなんですね。わたし自身が文章を書くときにも、そこが大事なんだなということがとてもよくわかりました。
三宅さん、ありがとうございます。
3023冊目(今年361冊目)
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