『れんげ荘』 群ようこ 347
キョウコさんは有名広告代理店に勤めていました。仕事はいつも忙しく、自分の時間などないような毎日。実家暮らしをしているから、楽と言えば楽だけど、母親からの「いつ嫁に行くんだ」とか「みっともないことはするな」というプレッシャーに押しつぶされていました。そして、決断したのです、仕事を辞めてひとり暮らしをする!
45歳まで働き続けてきたキョウコさん、これまで貯めてきたお金があれば、家賃さえ安ければ働かなくても一生生きていけるという計算ができました。とにかく家賃が安いところという条件で見つけたのが「れんげ荘」。トイレとシャワーが共同だけど、不動産屋さんがいい人だったこともあり、ここに引っ越してくることに決めました。
このアパートに住むクマガイさん、コナツさん、サイトウくん、それぞれ個性的な人たちですが、それなりに良い人たちです。
木造の古いアパートだから梅雨時にはカビが生えるし、夏は蚊にさされるし、冬は隙間風が寒いし、今までいかに快適な生活をしていたのか思い知らされることばかりだけど、それもまた楽しと思えればいいのだと思い、なんとかしています。
でも、どうにもならないのがお母さん。何をしても悪口を言われるのには閉口してしまいます。世間体が一番大事って言われ続けている子どもの身にもなってよ!と抵抗してみても、聞く耳を持ってくれないのが辛いんです。
それが嫌でひとり暮らしを始めたってことを理解してくれないし、突然電話がかかって来るし、トホホと思いつつも、実家にいるよりずっと気楽だわとひとり暮らしを謳歌しているキョウコさんです。
ひとり暮らしをするようになって、これまではなんて無駄な買物ばっかりしていたんだろうって反省したり、満員電車に乗らずに済むようになってうれしいけど、暇がありすぎてどーでもいい事に悩んでしまったり、キョウコさんは新しい生活にとまどいながら、自分らしい暮らしって何だろう?って模索をしているところです。
3009冊目(今年347冊目)
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