『まっすぐ考える』 ダリウス・フォル― 24-4
自分がコントロールできることだけ考える P59
わたしたちはいつも、いろんなことを考えています。「ランチに何を食べようか」「この仕事は〆切に間に合うだろうか」のように自分で決められることを考えるだけでなく、自分ではどうにもできないことまで考えてませんか。「自分は他人からどう見えているか?」とか、「あの時、どうしてあんなことやってしまったのか」というような、自分にはコントロールできないことばかり考えて、無駄に悩んでいないでしょうか。
私達人間には「自分の信じたいことを信じる」という傾向があるが、その傾向を説明するのが確証バイアスだ。
何か信じていることがあるなら、それを裏付ける情報ばかりを集め、それに反する情報は無視するようになる。言い換えると、自分が間違っていない証拠を必死になって集めるということだ。確証バイアスの状態にある人は、事実ではなく、自分の信念だけを見ている。 P65
「この世に事実は存在しない」というニーチェの言葉が意味するのは、人間である私たちにとって、現実とは究極的に「自分の解釈した現実」でしかないということだ。この現実を客観的に確認する方法は存在しない。 P73
何が正解なのかを考えるのは悪いことではないけれど、目指している正解というものが「自分にとって都合の良いこと」というバイアスで決められているのではないかと疑ってみたことはありますか?
自分が仕上げたものを、他人からは「それでいいんじゃない」「それ、良くできてるよ」と評価されているのに、「自分としては気に入らない」と思うのは、自分がイメージしたものと違うというだけなのかもしれません。
人生では、必ずどちらかを選ばなければいけないわけではない。むしろ、あれもこれもどちらも選べることもある。 P105
人生では、実際に経験しなければわからないこともある。 P121
答えは1つだけじゃないという場合もあるし、やっているうちに別の方向へ進みたくなるかもしれないし、自分の想定なんて遥かに超えてしまう何かが生まれる可能性だってあるんです。なのに最初の目標にこだわってしまうのは、単なる自己満足なのかもしれません。
「ニュースを読むと、不安になり、悲観的になる。歴史を読むと楽観的になる」P149
これは実に面白い考え方です。今起きていることは、それまでとは違うことです。その変化を不安だと感じてしまう。でもその後、時間が経って過去のこと(歴史)になると、「あんなこともあったね」と楽観的に考えられるようになるのです。
変化というのは怖いものじゃないんだよ、世の中は常に動き続けているんだと考えられるかどうか、そこが自分が変われるかどうかのポイントなのだと思えてきました。
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