ブログ内検索


  • ダメでもいいからやれ。
    体験もしないでお前ら、
    すぐに「ダメだ」って言うのは、
    学校で聞いただけの話だろう。
    やってみもせんで何を言っとるか
    (by 本田宗一郎)

読書Love!

  • 本が好き!
  • NetGalleyJP
    プロフェッショナルな読者
    グッドレビュアー 100作品のレビュー 80%

« 『水歌通信』 くどうれいん、東直子 24-26 | トップページ | 『オーケストラの職人たち』 岩城宏之 24-28 »

『れんげ野原のまんなかで』 森谷明子 24-27

Rengenoharano

れんげ野原のまんなかで

秋葉図書館の四季

森谷明子(もりや あきこ)

創元推理文庫

 新人司書の文子さんが配属されたのは、ススキ野原のど真ん中にある秋葉図書館でした。町からは少し離れた場所にあるので、ヒマでヒマでしょうがありません。

 でも、そんな図書館に興味を持った小学生がかくれんぼをたくらんでみたり、大雪で帰宅できなくなったり、図書館の蔵書ではない本が本棚にあったり、小さな事件がいろいろと起きます。

 

 図書館はその地域の住民のためにあるものだから、本や新聞を読むのも、写真集を眺めるのも、勉強するのも、ただボーっとしに来るのもOKなんです。でも、この図書館の存在自体が最初は知られてなくて閑散としていましたが、地域のコミュニティバスが開通したおかげで少しずつ利用者が増えてきました。

 その後、ススキ野原だった場所にれんげを植えてからは、お花がきれいだと話題になり知名度が上がりました。そのおかげで事件も起きたのだけれど、それをきっかけに「床下の小人たち」を大好きだった少年が心を開けたのだから、それでめでたしですよね。

 この5篇が収められています。

第一話 霜降(そうこう)花薄
第二話 冬至(とうじ)銀杏黄葉
第三話 立春(りっしゅん)雛支度
第四話 二月尽(にがつじん)名残の雪
第五話 清明(せいめい)れんげ野原

 秋葉図書館は、少しずつみんなの場所になってきました。

 学校や職場と家しか居場所がなかった人が、第三の居場所として図書館を利用することができたら、生活がちょっと楽しくなるかもしれません。図書館が本を読むだけでなく、地域のコミュニティセンターとして役立っていくのはとてもいいことだと思うのです。

3053冊目(今年27冊目)

« 『水歌通信』 くどうれいん、東直子 24-26 | トップページ | 『オーケストラの職人たち』 岩城宏之 24-28 »

日本の作家 ま行」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 『水歌通信』 くどうれいん、東直子 24-26 | トップページ | 『オーケストラの職人たち』 岩城宏之 24-28 »