『水歌通信』 くどうれいん、東直子 24-26
すけすけのエレベーターに乗る時は無口になるよ透けたくなくて
エレベーターでは何故みんな寡黙になってしまうのか?をこんな風に詠まれるのって面白い。今度ガラス張りのエレベーターに乗ったら、しゃべっている人がいるかどうか確認しなくっちゃ、なんて思ってしまう。
わたしはいつも外の景色を見たくてガラスのそばへ行こうとするけれど、せっかく透明なエレベーターなのに外を見ようともしない人が大勢いるのは何故なのかしら?
ガラス越しに景色を眺めていると、普段気がつかないものが見えたり、人の流れたアリさんみたいに見えたりして楽しいのにね。
わたしがまともなせいであなたはへんになりへんでまともなわたしが残る
人との関係って複雑よね。相手のペースに合わせるのが大変なこともあるし、自然と合っちゃう人もいるし。何かが嫌だって言って、わかってくれる人もいればわからない人もいる。ケンカして仲良くなる人もいるし、何も話さずに別れちゃう人もいる。それをこんな風に短い言葉で言い表せる短歌って凄いなって思う。
短歌と短文という組合せでできているこの本には、不思議な魅力がある。
3052冊目(今年26冊目)
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