『その後のツレがうつになりまして。』 細川貂々 24-6
仕事のストレスでうつ病になってしまったツレさんは、以前の彼とは全く違う人になってしまいました。自分に自信が持てないし、ふとんから起きる上がることができない。いろんな意味で動けなくなってしまったのです。
3年間の闘病生活で、少しずつ回復してきましたが、まだまだできないことがたくさんあります。人が大勢集まるところへ行けなかったり、電話が怖かったりするのです。でも、確実に良くなってきていると思えるようになりました。だって、自分ができないことの理由を理解できるようになってきたんですもの。
貂々さんが書いた「ツレがうつになりまして。」を読んだという人からの感想をもらうようになって、うつになったことで辛い思いをしているのは自分だけじゃないんだと知ったツレさんは、かなり気持ちが楽になったそうです。
相棒が僕の病気を隠さず周囲に全て話していたこと。人の生きている姿の一つの形なのだと、僕に胸を張って生活するように態度で示していてくれた。結果的にそのことが僕にとってはとてもありがたかった。モチロン、僕には自分の過失で病気になってしまったのではないかという負い目があったので、病気のことを語るのはとても恥ずかしかった。この本にも「ツレうつ」をつくった時の僕の女々しい態度が報告されてしまっている。
それでも、相棒は「病気になったことは恥ずかしいことでもなんでもない」と言い続けてくれた。
~中略~
だから病気のつらさを言葉にして他の人と共有することは恥ずかしいことでもなんでもないのだ。人はどんなときであっても、自分の「生き様」を誇れるのだとわかった。(おわりに ツレ より)
うつになる前は、かなり「無理して」生きてきたツレさん。そんなことはもうやめようと決めてから、人生が楽しくなったんじゃないかなぁ。自分が自分らしく生きることが一番!って思えるようになってよかったよねぇ。
この本でも、うつのことって知らないことだらけなんだなぁって思うことばかりでした。とにかく知ることって大事ですね。
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