『盲学校でマジックショーを!』 万博 24-54
万博さんは、元々マジックが好きでしたが、マジックというのは目が見える人のためのものだと思っていたのです。とあるマジックショーを見た時、聴力障害者であっても、視力障害者であってもマジックを楽しめるのだということに気がつき、ぜひ視力障害がある方にも楽しんでもらえるマジックをやってみたいと思ったのです。
「たまたま盲学校に赴任して、手品が好きだからこの活動を始めた」のではなく、「盲学校マジックを追求したいから、盲学校で働き始めた」
情熱だけあっても、視力障害とはどんなものかもわかっていなかった万博さん。教員免許を持っていたということもあって、盲学校で働くことを決めたのです。
学校の文化祭で初めてマジックを披露した時、2組しかお客様がいらっしゃいませんでした。マジックを体験してくださった方はとても楽しんでくださったけれど、世の中のほとんどの人は「マジックは見えなければ楽しめない」「やってもむだじゃないか」と思っているということがよくわかったのです。
そんなネガティブな状況にへこみながらも、マジックを続けていた万博さんが、視覚障害の当事者団体の方とお話をしてみると、意外な答えが返ってきたのです。
「おもろいやん!どんどんやって!」
思いがけない言葉に、私はきょとんとしてしまいました。
なぜこのようなすれ違いが生まれたのでしょう。
それはきっと晴眼者から視覚障害者へ、ある意味で善意のような思いやりから、勝手にバリアを張っていたからではないでしょうか。
そうか、そんなこと無理だと思っている人に、自分のマジックを体験してもらって、ビックリしてもらう。それこそが自分のやるべきことだと気がついたんです。
それから、色々な失敗もありましたけど、視力障碍者の方に楽しんでもらえるマジックを考え続けてきた万博さんです。
盲学校マジックの活動を誰かがマネしてくれて、どんどん広まっていくと良いね
万博さんのマジックに対する情熱は尽きることがなさそうです。
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