『我慢して生きるほど人生は長くない』 鈴木裕介 24-37
我慢して生きるほど人生は長くない
鈴木裕介(すずき けいすけ)
アスコム
「我慢は美徳」というのは、他人に我慢をしてもらった方が都合がいい人たちの勝手なルールに過ぎません。P117
私たちが抱く罪悪感は、実際には、”他の人からネガティブな感情を向けられることへの恐怖”であると意識しましょう。P131
こういうルールを守らなければならないと思い込んでしまうのは、子どもの頃から「努力は当り前」「頑張った分、必ず良いリターンがある」と騙され続けた結果なのでしょう。そして、サボってはいけない、頑張らなければならないと思い込みます。
本当はそんなこと気にしなくていいのに、あの人に嫌われたくないとか、きちんとやらない人だと思われたくないとか、勝手に想像して、自分で自分の首を絞めてしまいます。
人はなかなか「自分が本当にやりたいこと」と「他人から押し付けられたやりたいこと」を区別することができません。
子どもの頃から「誰かが決めた価値観」の中で生きていると、それが当たり前になってしまい、たとえ本当は押し付けられたものであっても、「自分が心からやりたいと思っていることである」と錯覚してしまうからです。P161
それに気づかないで頑張り続けて、自分は何のために生きてるんだろう?って思う人生なんて悲しすぎます。
本来望ましいのは、親や家族が、最初の「信頼できる他人」になることです。
親が子どもをむやみやたらにジャッジしたり、子どもに一方的にルールを押し付けたりせず、欠損も欠点も丸ごと受入れ、愛し、「あなたはあなたのままで大丈夫」と伝えることで、子どもの中に、自分自身に対する信頼、「親」という他人に対する信頼、世界に対する信頼が生まれ、自己肯定感が育まれていきます。しかし、実際には、その役目を果たせていない親がたくさんいるのも事実です。P203
数年前、わたしはある友人がとても冷たい人だと気づいてしまったのです。それを本人に言ってもしょうがないし、でも自分ばっかり無理しているなぁって思ったのです。共通の友人にその話をしたら、「ああ、あの人はそういう人だから、あんたが悪いわけじゃないから気に病むことはないよ。あの人のことは放っておけばいいんだから。」と言われ、本当にそうでした。信頼できる人の一言がこんなにもわたしの気持ちを楽にしてくれるのかと驚き、感謝したことがあります。
誰でもいいから「あなたは正しい」と肯定してくれる人がいて、それを素直に信じられること。それだけでいいんです。無理して嫌な人と仲良くする必要もないし、やりたくないことをやる必要もないんです。そんなことをして寿命を短くする必要なんてないのですから。
この本は、タイトルが気に入って手に取りました。それは、歳とともに面倒なことに関わっている暇はないと思うようになってきたからかもしれません。無理していい人と思われる必要などありません。機嫌よくニコニコして暮らせるのが一番だと気づけたら、それだけで人生はぐっと楽になるのですよね。
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