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『リカバリー・カバヒコ』 青山美智子 24-42

Rikabarikabahiko

リカバリー・カバヒコ

青山美智子(あおやま みちこ)

光文社

2024年本屋大賞 第7位

 新しくできた5階建のマンション「アドヴァンス・ヒル」に様々な人が引っ越してきました。傍から見えれば幸せそうな人たちだけど、それぞれの心の中にモヤモヤがあります。

 このマンションのすぐ近くに「サンライズ・クリーニング」というお店があって、そこのおばあちゃんが教えてくれるのです。困ったことがあったら、公園にいるアニマルライドのカバヒコにお願いしなさいよ。「人呼んでリカバリー・カバヒコ」「・・・カバだけに」

 みんな半信半疑ですけど、自分の治したい部分と同じ部分をなでながら、カバヒコにお願いするのです。

 

第1話 泰斗の頭
 泰斗は、カバヒコの頭をなでながら成績が上がりますようにとお願いしました。

第2話 紗羽の口
 ママ友たちとうまくやっていけない紗羽は、カバヒコの口をなでながら、本当の気持ちを話せるようになりたいとお願いしました。

第3話 ちはるの耳
 ストレスでストレスで耳の具合が悪くなり休職中のちはるは、カバヒコの耳をなでながら、よくなりますようにとお願いしました。

第4話 勇哉の足
 足が痛いと嘘をついていたら、本当に足が痛くなってしまった勇哉は、足をなでながら足が治りますようにとお願いしました。

第5話 和彦の目
 最近老眼が気になってしょうがない雑誌編集長の和彦は、サンライズ・クリーニングのおばあちゃんの息子です。

 

 具合が悪いところがあるというのは、病気や怪我が原因ではなく、実は心の問題ということが多いんです。そんな人たちの心を癒してくれるカバヒコのおかげで、みんなが少しずつ良くなっていくところがいいですね。

 第5話の和彦さんが、「人間は見たいものを見るようにできている」って気がつくところがとってもいいなと思いました。

 ご近所の人とのふれあいで、優しい気持ちになれる、思いやりができるようになる。それこそが人間らしい暮らしですよね。わたしが住む町にもカバヒコみたいな子がいるかしら?探してみようと思います。

#リカバリーカバヒコ #NetGalleyJP

3068冊目(今年42冊目)

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