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『言語の本質』 今井むつみ 秋田喜美 24-47

Gengono

言語の本質

今井むつみ(いまい むつみ)

秋田喜美(あきた きみ)

中公新書2756

2024新書大賞 大賞

日本語のような動詞枠づけ言語では、典型的には、述語となる動詞本体で動きの方向が表される(「降りる」「入る」「横切る」「超える」など)。そのため、どのように動くか(様態)の区別は、「トボトボと」「足早に」「片足を引きずりながら」というように述語以外で行うことが多い。これらの要素は、「老人が(トボトボと)道路を横切った」のように、文の成立に必須でないオプショナルな要素である。
一方、英語のような衛星枠づけ言語では、典型的に動きの方向性が down, in, across, over といった述語動詞以外の要素で表される。そのため、動詞本体には plod(トボトボと歩く)、scurry(大慌てで走る)、limp(片足を引きずって歩く)のように動きの様態情報が含まれる傾向にある。P160

 日本語でオノマトペが多く使われる理由はこういう所にもあるのですね。細かく説明しなくても文章は成立するけれど、状況をもっと細かく説明したい時に「トボトボと」や「サッサと」といったオノマトペが登場するのです。

 現在放送している朝ドラで主人公が歌う「東京ブギウギ」の歌詞「東京ブギウギ リズムウキウキ 心ズキズキ ワクワク」は、オノマトペの見事な使いかたですよね。このフレーズだけで心が躍るという雰囲気が伝わってきます。

 

 子どもが言葉を覚える時にオノマトペが重要な役割をしているということですが、大人になってもかなり使い続けてますよね。

 歳とって単語をドンドン忘れて行っても、蝉がミンミン、犬がワンワン、のようなオノマトペはずっと使い続けていくのかもしれません。たとえば、セミという単語を忘れてしまっても、「ミンミンうるさいヤツ」っていう言い方をするのかも。

3073冊目(今年47冊目)

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