『ルドルフとイッパイアッテナ』 斉藤洋 杉浦範茂 24-38
黒猫のルドルフは魚屋のおじさんから逃げていました。間違って長距離トラックに乗ってしまい、気がついたら知らない町にいました。
ここで出会ったのが、ノラ猫のイッパイアッテナでした。
イッパイアッテナは大きくてケンカも強いし、ここらの猫たちから怖がられているようなんですけど、ルドルフは彼になぜか気に入られます。そして、食べ物の貰い方とか、人間との関わり方など、町での生き方を教わっていきます。
いろんなことを教わるうちにわかったのが、イッパイアッテナが字が読めるということです。そして、字を読むことが毎日の生活を便利に、豊かにしてくれるのだとルドルフに教えてくれるのです。そしてルドルフも勉強を始めました。
イッパイアッテナとルドルフの会話は、なかなか深いものがあります。今まで知らなかったことを勉強することで、教養が身につくということ。誰かに教わるという手もあるけれど、自分で調べる方法もあるのだと教えてくれるイッパイアッテナは、ルドルフの師匠となっていくのです。
こんな風に人生の先輩から何かを教わるというのはいいことですよね。今まで気がつかなかったこと、わからなかったことを、そのままにしてきたルドルフの生き方が変わっていく様が、とっても楽しそうでいいんですよ。
そして最後の方では、ルドルフが逆に教えることもあって、お互いにそれを理解できたから、友情が成り立ったのだというところに感銘を受けました。
これまで斉藤洋さんの作品はいろいろ読んできましたけど、これもとっても面白い!このシリーズもぜひ読まなくっちゃ。
3064冊目(今年38冊目)
« 『我慢して生きるほど人生は長くない』 鈴木裕介 24-37 | トップページ | 『不完全な司書』 青木海青子 24-39 »
「日本の作家 さ行」カテゴリの記事
- 『ほんとうの定年後』 坂本貴志 24-332-3358(2024.11.22)
- 『毎月新聞』 佐藤雅彦 24-320-3346(2024.11.10)
- 『さよならの向う側 ’90s』 清水晴木 24-330-3356(2024.11.20)
- 『まとまらない人』 坂口恭平 24-292-3318 (2024.10.13)
- 『生きのびるための事務』 坂口恭平 24-286-3312(2024.10.07)
「日本 児童書」カテゴリの記事
- 『朝読みのライスおばさん』 長江優子 みずうちさとみ 24-336-3362(2024.11.26)
- 『がいとうのひっこし』 山田彩央里 、山田和明 24-318-3344(2024.11.08)
- 『おしごとそうだんセンター』 ヨシタケシンスケ 24-319-3345(2024.11.09)
- 『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』 椰月美智子 24-301-3327(2024.10.22)
- 『家をせおって歩く かんぜん版』 村上慧 24-295-3321 (2024.10.16)
« 『我慢して生きるほど人生は長くない』 鈴木裕介 24-37 | トップページ | 『不完全な司書』 青木海青子 24-39 »
コメント