『本が紡いだ五つの奇跡』 森沢明夫 24-79
第一話 編集者・津山奈緒の章
編集者の奈緒さんは、自分が大好きな作家に小説を書いて欲しいと依頼しますが、いい返事が返りません。
第二話 小説家・涼元マサミの章
涼元マサミは、デビュー作はかなりヒットしたのですが、その後パッとしない小説家です。月に一度娘と会えるのだけが楽しみなのに、離婚した妻から、もう娘とは会わないで欲しいと言われてしまったのです。
第三話 デザイナー・青山哲也の章
哲也は装丁家として成功していました。でもガンが見つかり、余命わずかと宣告されてしまったのです。
第四話 書店員・白川心美の章
大学生の心美は、書店でバイトしています。店に時々やって来る男子のことが気になっています。
第五話 読者・唐田一成の章
美大性の一成は自分の絵の才能に限界を感じていました。
小さな出版社の編集者である津山奈緒さんは、作家の涼元マサミに小説を書いて欲しいと心から望んでいます。だって自分は、彼の本を読んで救われたのだから。きっとまた良い本が書けると信じているのです。
この本に登場する人たちは、それぞれ全く関係ない世界で生きていた人たちでした。でも、一冊の本を作ること、その本を読んだこと、その本を誰かに薦めたこと、それによってつながっていったのです。
離れていても、心は寄り添っているよ。
人には、それぞれに悩みがあります。それを誰かに相談できればいいのだけど、言えないのです。こんなことを言っていいのか?こんなことを考える自分はダメな人間なんじゃないか?怖くて言えないのです。
優しい言葉をかけてもらっても、頑張ろうと思ってもどうにもならないときもあります。
そんなときに手に取った一冊の本が人生を変えることって確かにあります。本の中の言葉が背中を押してくれることもあるし、何かに気づかせてくれることもあります。
涼元マサミが書いた「さよならドグマ」はそんな力を持った小説だったのですね。読んでみたいなぁ。
#本が紡いだ五つの奇跡 #NetGalleyJP
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