『図書館を心から愛した男 アンドリュー・カーネギー物語』 アンドリュー・ラーセン 24-74
図書館を心から愛した男
アンドリュー・カーネギー物語
アンドリュー・ラーセン 著
Andrew Larsen
ケティ・モーレイ イラスト
Katty Maurey
志多田静(しただ せい)訳
六曜社
米国
カーネギーといえば鉄鋼王、カーネギーホールを作った人、という程度の知識しかなかったのですが、この絵本によってさまざまなことを知ることができました。
アンドリュー・カーネギーはスコットランドで生まれました。父親は機織りの仕事をしていましたが、機織りの仕事は機械化されるようになり、父親は職を失い、一家はアメリカへ移住することになりました。スコットランドからニューヨークまで船で7週間、更に陸路を3週間かけてピッツバーグへとたどり着きました。
最初は紡績工場で働き、次に電報配達人となりました。それまで学校へ行ったことがなかったカーネギーでしたが、ピッツバーグの名士であるジェームズ・アンダーソン大佐は、働く少年たちのために毎週土曜の夜に約400冊の個人的蔵書を開放しており、カーネギーはそこで勉強しました。そして、17歳でペンシルバニア鉄道の電気通信士になったのです。その後も勉強を重ね、仕事を変え、最終的に鉄鋼王となったのです。
当時、公立の図書館はない時代でした。そこでカーネギーは自分がそうであったように、どんな人でも勉強できる場所を作ろうという考えを持ちました。
最初は、故郷のスコットランドに小さな図書館を作りました。その後、世界中に2500以上の図書館を作ったのです。
未來を作りだす人たちのために、意味のあるお金を使おうという思想は、欧米では当たり前のことです。教育や芸術を支援し、名前を記すということが名誉であり賞賛されるべきことだという考え方が、日本でも広まることを祈ります。
3100冊目(今年74冊目)
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