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『神と黒蟹県』 絲山秋子 24-77

Kamitokuro

神と黒蟹県

絲山秋子(いとやま あきこ)

文藝春秋

 黒蟹県という架空の場所で暮らす普通の人びとのお話の中に、突然神が登場します。といっても普通の人の姿で現れるので、誰も彼が神だとは気づきません。でも、神に出会った人はちょっと幸せな気持ちになります。

 同じ苗字の人が多いとか、隣接する町とは仲が悪いけれど、その隣の町とはうまくやってるとか、地味な地方という設定ですけど、それなりに癖のある人たちが暮らしています。

 

 最初の話で、この町へ転勤してきた女性が感じたことって、絲山さんの実体験がかなり反映されているんじゃないかしら。前任者からの引継ぎの微妙な感じとか、地元の人たちにしか分からない会話とか、町の目印になるような地名がどれも今は無いものだったりするところとか。時間をかけてなじんでいくしかないのかなぁって、ちょっと同情しちゃったりして。

 

 各章の最後に登場する「黒蟹辞典」がなんともいえず、いい雰囲気を出してます。「ストロガノフと似たロシア料理」として登場する架空の料理「カタストロフ」が、「カタルシス」っぽい響きで好きだわぁ。

3103冊目(今年77冊目)

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