『マンガ ぼけ日和』 矢部太郎 24-83
認知症って、誰にでもやってくることなんです。でも、どんな病気でもそうだけど、実際にそうなってみないと、どんなことが起きるのかわからないのです。あんなにしっかりしていた人が、同じことばかり言うようになってしまったり、あんなに優しかった人が酷いことを言うようになったり、家族はオロオロするばかりです。
こりゃおかしいと思ってお医者さんへ行くと、いつもよりしっかりした話をしてるし。一番近くにいてお世話をしている人にばっかり「お金を盗んだんじゃないか」とか「ごはんを食べさせてくれないとか」言うので、ツラくなっちゃうし。
なんでそんな大事なこと、はじめにだあれも教えてくれんのです?
この本に登場するお医者さんは、ある女性からそう言われてハッと気がついたんです。「同じことをされても、そういうものだとわかっているのと、知らないのとでは全然違うんだ」ということに。
そうなんです、認知症になったらありがちな、あれやらこれやらを知っているだけでも、介護する人の気持ちが違うんだということで、この本が生まれました。
人が変わってしまったように悪口ばかり言う人って、本当は寂しかったり、怖かったりするからそうなるんだってことを知るだけでも、介護の質は全然変わります。
この本で、いろんなことを知ってください。「そうだったんだ!」と思うだけで、かなり気持ちが楽になりますからね。
矢部さんの絵が、さまざまな話をすぅっと心に伝えてくれます。
3109冊目(今年83冊目)
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