『本屋のない人生なんて』 三宅玲子 24-85
「私はね、本屋という商売はもう終わった、と思っている人たちを見返したいんですよ」
北海道から九州まで。全国の気骨ある書店を訪ね歩いたノンフィクション。
序章 渇望 留萌ブックセンター(北海道)
一章 日本一 今野書店(東京 西荻窪)
二章 ともに読む 定有同書店(鳥取)
三章 たらいの水 ウィー東城店(広島)
四章 企む ブックスキューブリック(福岡)
五章 本を売ることに賭ける 本屋Title(東京)
六章 本屋を植える 高久書店(静岡)
七章 次の人たち 双子のライオン堂(東京)汽水空港(鳥取)MINOU BOOKS(福岡)
終章 代わりのきかない場所 橙書店(熊本)
それぞれの現在 あとがきにかえて
日本全国で書店が激減しています。他の商店も減っているとはいえ、書店は他の商店とは違う役割をたくさん持っています。学生なら参考書や赤本などの進学のための本やマンガを、社会人なら資格取得や語学学習のための参考書とか、主婦なら料理本とかファッション誌とかを買いに来ます。買いたい本が決定している場合ならネットでも買えるけれど、やっぱりたくさんある本の中から選びたいとか、タイトル買いをしたいとか、本の紹介ポップを読みたいという気持ちは必ずあるから、リアルの書店は必要なのです。
序章に登場した留萌では、町から書店がなくなってしまい、そこに危機感を持った人たちが「留萌ブックセンター」を作っています。でも、そこまで頑張る人たちが存在しない地域というのもたくさんあるのでしょう。書店がない町って、見捨てられてしまった町のような気がして、とても嫌です。
こんな状況でも個人で新刊の書店をやろうという人たちがそれなりにいるのは嬉しいことです。今までとは違う考え方の取次店も現れ、そこから仕入れることで新刊書店は営業できているのですが、まだまだ難しい点が色々あるのです。
たとえば、大手の出版社がある本を推すという企画を立てた時に、大手の取次店は小さな書店には配本してくれません。書店の都合を考えずに勝手に配本してきたりするという大手取次店の「迷惑」な仕事の仕方が、個人書店がなくなっていく一つの原因になっているのも間違いありません。
書店だけではやっていけないので、他の仕事をしながら週末だけ、あるいはネットで書店をやっている人もいます。そこまでしてと思うような状況でも書店をやりたい人がいるのだということを、出版社や取次店の人たちにも、もっとわかってもらいたいのです。
#本屋のない人生なんて #NetGalleyJP
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