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    (by 本田宗一郎)

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『CARPE DIEM 今この瞬間を生きて』 ヤマザキマリ 24-113

Carpediem 今この瞬間を生きて

CARPE DIEM(カルペ・ディエム)

今この瞬間を生きて

ヤマザキマリ

エクスナレッジ

ヨーロッパやアメリカでは、自分の言葉で語れる人、自分の言葉で相手を説得できる人を育てるために、ディベートやディスカッションの時間が小学校でも重視されています。欧米の人たちが社会で生きていく上では人前で自分の考えを言語化するディベート力が問われるのです。
「先生の言うことを静かにしっかり聞ける人になろうね」という教育ではなく、「自分の頭の考えを言葉に換えて発信できる人間になろう」という視点が幼いころから教育の中にしっかりと組み込まれているということです。基本的な教育理念の中に、自分の足で立つことの重要性が明確に示されていると言っていいでしょう。他人の言われたことをただ聞いていればいい、無難にやり過ごそうという姿勢はたとえ高齢者であっても見られません。言いたいことを自分の言葉で語る姿勢は、何歳になっても健在です。P88

 マリさんはお母さまを亡くされてから、ご自分の老後や死後のことを考えることが、これまでよりも増えたようです。これから先、何が起きるかわかりません。日本の多くの老人が夢見るような「ピンピンコロリ」には懐疑的な気持ちを持っています。

 そりゃ、それが理想だということはわかるけど、実際には身体が思ったように動かなくなり、物忘れがひどくなり、いつか認知症となる日も来るかもしれない。と考えておくことを、どうしてみんな避けているんだろう?と思うマリさん。わたしも、確かにそうだよねと思います。

 長生きしたいといっても、ただ生きているだけじゃ意味がありません。やりたいことをやれる老後って、いったいいつまでのことなんだろう?と思います。

 

 老人が勝手なことを言うのは昔からだし、誰でもそうなるのです。効率主義とか生産性とかという思想が、老人を邪魔者扱いする日本社会を作ってしまったのでしょうか。寿命が短かったころにはなかった、こんな身勝手な思想がはびこるようなら、寿命なんか伸びないほうがいいってことじゃないですか。

 みんな歳をとるんです。シワもできるし、髪も白くなるし、老眼になるし、物覚えは悪くなるし、それでいいじゃないですか。無理して若作りしたって、無理して元気なふりをしたってしょうがないんです。

 自分らしく、自然に生きて、死んでいけたらいいんだよというマリさんの死生観に、とても共鳴してしまうわたしです。いつ死んでもいいように、やり残したことがないように、そう思って生きていこうと思います。

3139冊目(今年113冊目)

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