『ビブリア古書堂の事件手帖 IV 扉子たちと継がれる道』 三上延 24-128
表紙の女子高生、一見同じ人のように見えるけど、智恵子さん、栞子さん、扉子さんの3人です。この本に登場するのはいずれも17歳の時。3人とも本が好きで、普段は静かだけれど、本の話をし出すと止まらない。とてもよく似た3代の女性と、鎌倉文庫の夏目漱石の本を巡るお話です。
彼女たちのことを語るのは、智恵子さんの夫だった篠川登さんと、栞子さんの夫となった大輔さんです。
これまでの作品ではどちらかと言えば怖い人として描かれてきた智恵子さんですが、17歳の智恵子さんは、その後の片鱗は見せていますけど、こんな頃もあったんだなぁって思います。登さんと一緒にラーメンを食べているところを思い浮かべると、ちょっと微笑ましいです。
登さんと栞子さんでビブリア古書堂をやっていたころの雰囲気もいいですね。本のことは詳しいけど人見知りだから、ひとりで店番ができない栞子さんを心配している、幼いけどしっかり者の妹・文香ちゃん。
鎌倉文庫の謎がテーマの今回の作品、ビブリア古書堂の3人の女性の知らなかった過去が見えてきて、とても楽しかったです。
この3人の物語はまだまだ続くのでしょう。
・プロローグ
・第一話 令和編『鶉籠』(うずらかご)
・第二話 昭和編『道草』
・第三話 平成編『吾輩ハ猫デアル』
・エピローグ
3154冊目(今年128冊目)
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