『野呂邦暢 古本屋写真集』 岡崎武志&古本屋ツアー・イン・ジャパン 編 24-134
先日読んだ「向田邦子の本棚」で、向田さんが野呂さんの文章をとても評価していて、ドラマ化したいと思っていたということが書かれていました。それで興味を持ち、図書館でこの本を見つけました。
1970年代後半に撮られた古本屋の写真は、フィルムで撮られたもので、汚れがあったり、ボケていたリという所がありますが、それは敢えて修正していません。野呂さん自身は早稲田や中央線沿線の古本屋がお好きだったそうですが、神保町の写真が多いのは、店の数の多さからなのでしょうか。
店の看板、ウインドウの中に積まれた本に貼られた「○○全集」という黄色い紙、店の前にある100円均一のワゴン、木製の書棚。これぞ古本屋という雰囲気が伝わってきます。
今では無くなってしまった店も多いですが、「文庫川村」は、今でもこの写真と同じです。御茶ノ水駅はかなりきれいになりましたけど、ホームから見える神田川の景色は、余り変わっていません。
野呂さんが撮った写真を見ていると、懐かしさとともに、自分もあの店を覗いたなとか、この道を歩いたなという思い出がよみがえってきます。写真にはそういう力があるのだと改めて感じました。
「草のつるぎ」で芥川賞を受賞しながら、42歳という若さで亡くなってしまった野呂さん。6000冊もの蔵書は母親から諫早市に寄贈されたそうです。野呂さんにとって古本屋とは何だったのでしょうね?
自分を育ててくれたところ、憩いの場、いつ訪れても優しく迎えてくれる友人のような存在だったのでしょうか。
3160冊目(今年134冊目)
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