『夜明けを待つ』 佐々涼子 24-172
ノンフィクション作家の佐々さんのエッセイ集であるこの本を読んでいて気になった単語は「技能実習生」「外国人労働者」「オウム」「宗教」。どの話を読んでいても、頭の中にいろんな顔が浮かんでくるのです。
出稼ぎのためにやって来た日系ブラジル人。宗教という名の集金システムから危ういところで逃げた日系アルゼンチン人。日本人と結婚し、介護施設で働くフィリピン人。みんなわたしの友だちです。そういう人たちのこと、日本という国はちっとも心配してくれません。
日本っていまだに閉鎖的な国だなって思うことが本当に多いのです。外国から来た人たちに働いて欲しいけど、彼らに正当な賃金を払うことを嫌がっていたり。介護人材を増やしたいと言いながら、介護関係の資格試験は日本語でしか受験できなかったり。難民申請はほぼ受け付けてくれなかったり。いったい何を守ろうとしているのか?意味不明なことばかりです。
そして、オウムが巻き起こしたあのサリン事件(1995年)、あんな恐ろしい事件が起きて、もうすぐ30年になるのです。最寄りの地下鉄駅で「あなたはサリン事件を知っていますか?」というポスターを見かけました。あの事件を知らない人が増えているということなのですね。
生と死を追い続けてきた佐々さん、ご自身、様々な悩みを抱えてらして、宗教に救いを求めたけれど、どうも自分にはそういうことはムリらしいとおっしゃっていたのは、ある意味、彼女らしい決断だったのでしょう。
本文中では元気な佐々さんが、「あとがき」で語られた「現在闘病中」ということに驚きました。とても珍しい病気だから、治ることはないだろうとおっしゃるのだけれど、そんなこと言わないでください。奇跡が起きて欲しいと祈るばかりです。
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