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『ギリギリ』 原田ひ香 24-196

Girigiri

ギリギリ

原田ひ香(はらだ ひか)

角川文庫

カドイカさんとひらけば夏休みフェア2024

 夫・一郎太を亡くした瞳、瞳と再婚した健司、一朗太の母の静江。

 瞳と静江は一朗太を亡くしたという共通点しかない義母と嫁だから、その関係はどこかギクシャクしている。

 再婚相手の健司はシナリオライターになろうと頑張っているけれど、なかなか仕事がもらえず、どちらかといえば主夫という生活をしている。静江はひとり暮らしだから、誰かにちょっと相談したいことがある時に、健司に聞くのが一番と思っているらしい。

 健司には静江に対するわだかまりがないから、何か頼まれれば喜んで手伝いに行くし、静江側としても、実の息子だった一朗太よりも、人懐こくて気が利く健司がけっこう気に入っている。

 瞳は、健司が静江とうまくやっていることを、「そこまでしなくていいのに」という冷めた目で見ているけれど、それで自分が義母と直接やり取りしなくて済むから助かるなぁという気持ちも持っている。

この5篇が収められています。

・アナログ
・モヒート
・スカイプ
・シナリオ
・ギリギリ

 健司にシナリオの仕事が入って忙しくなり、今までのように家のことができなくなる。

 静江はボランティア活動で今まで知らなかった人と話をするようになり、外の世界に興味が生まれる。

 瞳だけが今まで通りのはずなのだけど、でも、自分という人間の空っぽさに不安を感じる。

 毎日淡々と暮らしていたのに、何か新しいことが始まったところから、それまでの生活パターンが変わってしまうと、考え方も変わってしまうんだなぁというところが、この作品では上手く描かれていると思う。

 義理の関係は難しいけど義理と義理だと上手く行く。それがギリギリなのか!

 う~ん、上手いタイトルだ!

3222冊目(今年196冊目)

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