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『星やどりの声』 浅井リョウ 24-188

Hosiyadori

星やどりの声

浅井リョウ

角川文庫 

カドイカさんとひらけば夏休みフェア2024

 あの日、お父さんは喫茶店の名前を「星やどり」に変えた理由を教えてくれた。

雨から身を守ることを雨やどりっていうだろう。ここは満天の星が落ちてこないようにする「星やどり」だ。

 お父さんが亡くなってから、お母さんがひとりで守ってきた喫茶店「星やどり」。長女の琴美が仕事が休みの日に手伝ってくれてる。この店のビーフシチューはすっごくおいしい。それに、自家焙煎のコーヒーもおいしい。

 この家の子は6人。長女は働いていて、結婚もしている。長男は大学生で就活中。二女と三女は双子で高校三年。二男は高校一年。三男は小学校六年。それぞれ、勝手気ままに生きているようでいて、胸の中に何かを隠していて、絶対に誰にもしゃべっちゃいけないって思ってる。

 なんだかんだ言って、お父さんがいないということが彼らの中に、よくわからない不安を生んでいるんだろうな。

 そのせいか、長女以外はお母さんが必死なのに気付いていないのがとっても気になる。でもさ、兄弟が結構仲いいのが救いだな。

この6編が収められています。

・長男 光彦
 就職活動が上手く行かなくて、ちょっと焦り気味

・三男 真歩
 お父さんは死んでも、町のどこかで見守っていてくれるって、真歩は信じてたんだよね。転校生の不思議な少年ハヤシくんは、もしかしたらお父さんがここに連れてきたのかもしれない。

・二女 小春
 一生懸命にイケてる子たちと仲良くしてるけど。

・二男 凌馬
 同級生のあおいが、弁当を持ってこないことが気になってる。

・三女 るり
 るりが気にしていたユリカって、背が高くてショートカットなんだよね。わたしの脳内では、「虎に翼」のヨネさんに変換されてた。

・長女 琴美
 母親のことを心配して店を手伝ってるけど、それにも限界があるって思ってる。

 

 どの子も、亡くなってしまったお父さんのことを色々と思い出すけど、今そばにいるお母さんのこと、もうちょっと考えてあげてもいいんじゃない?

3214冊目(今年188冊目)

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