『働かないニッポン』 河合薫 08/15 232 3258
夏休みになると学生バイトが増えて、そこで稼いだお金で彼らは欲しいものを買ったり、旅行へ行ったりというのが、わたしが若かったころの夏のイメージです。でも、最近周りを見回してみると、どうも様子が違っています。コンビニや飲食などで働く若い人がグッと減っています。働いているのは外国人が高齢者ばかりです。
若者はどこで働いているのか?と思うことが増えました。その疑問を解くヒントにと思ってこの本を手に取ったのですが、どうも絶望的な話が続きます。
たいへんな就職活動を経て正社員になったはずなのに、あっという間に辞めてしまう人もいれば、会社に定着はしたけれど、仕事に対する意欲が低い人が明らかに増えているのです。
「仕事に意欲を持っている社員は5%しかおらず、世界145カ国中最下位」
子どもの頃からずっとやってきた「あるパターンに乗って何かを選択する」ということしか知らない人が余りにも多いと感じます。
就職の大事なポイントであるはずの「こういう仕事をしたい」という部分が、すっぽり抜けてしまっているようなのです。
たとえ、自分が目指していた仕事と違っていたとしても、自分の働きを評価してくれる人がいたり、それが誰かの役に立っているとわかれば「やるき」というのはおのずと生まれるものだと思うのですが、そういう心の部分をないがしろにしてしまったのが、働かない人を生み出している原因なのではないでしょうか。
「努力すれば」とか「頑張れ」とか、命令だけの世の中では、誰も働きませんよね。
労働人口が減っているだけでなく、労働意欲が下がっていることの方が、より深刻な問題なのだと思うけど、どうすりゃいいんだというボヤキしか出てきません。
3258冊目(今年232冊目)
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