『ChatGPT vs.未来のない仕事をする人たち』 堀江貴文 24-233-3259
ChatGPTをはじめとする生成AIの躍進で、私たちの仕事や生活は大きく変わると予想されます。ホワイトカラーや、クリエイター、プログラマーの仕事がAIに代替されるといわれる今後、私たちは何をして、どこを目指せばいいのでしょうか。
複雑になる社会のなかで、偏らない視点に触れられるよう、著者の堀江貴文氏を中心に、4人の識者(深津貴之氏、緒方憲太郎氏、佐藤航陽氏、茂木健一郎氏)の知見を踏まえ、まとめました。
生成AIによって、これまで人間が行ってきた事務作業とか、文章作成などがあっという間にできるようになっていきます。すると、これまでそういう作業をしていた人たちの仕事が奪われると指摘されるようになってきました。
ChatGPTでレポートも書けるし、プログラムも書けるといっても、実は誰にでも書けるわけじゃないんです。どういうキーワードを与えればいいのか?そこで出来上がったものの良し悪しを判断できるか、そこが人間の仕事です。
現時点でAIによってどこまでの作業が自動でできてしまうのかを知るところから始めて、それをどう利用していくのかを考える。それがこの本で語られていることです。
本物のカニと、手軽なカニカマとどちらがいいか?
人工的に作ったカニカマと本物のカニを比べたら、そりゃカニの方がおいしいですけど、値段が高いですよね。カニカマなら値段も手頃だし、それなりにおいしいし、それぞれの特徴をどう生かすのかを考えるってことが大事なんです。AIが作ったものと人間が作ったものも同じです。コストやスピード重視なのか、作った人の個性重視なのか、それを選ぶのは人間です。
「友達がいなくて話ができない」といった悩みを解消してあげるとか、会話が苦手な人向けに会話のアシスタントをしてあげるサービスなど。現時点では、ずっと音声で会話をさせ続けようとするとコストが高くなるが、価格が安くなっていけば、実現される可能性はあるだろう。
人間の代わりに話をしてくれるアプリとかロボットとか、こういう技術はきっとこれからの世界で必要とされるものでしょうね。AIだったら、認知症の人が何度も同じ話をしたって、イライラせずに聞いてくれるだろうし。歳をとって、もうペットは飼えないと諦めていた人に、ペットロボットの需要は確実にあると思います。
ひとり暮らしや単身赴任で、一日誰とも話をしないような生活をしている人もいます。AIのこういう使い方はいいですよね。
面倒くさい”人間”と付き合える人の価値が高まる。
さて、肝心の人間ですけど、人間でなければできないことの価値を見つけ出すってことなのでしょうね。
どんなにAIが発達しても、人とのふれあいを求める気持ちというのは必ずあります。たわいもない世間話をしてくれる人とか、ニッコリ笑ってくれる人とか、人間でなくてはできないことを見落としてないかな?どんなに小さなことでも、それが大事。それがすべてってこともあるのです。
この本でも言っている通り、「高級店のみ人間が接客」なんてことになっていくんだろうなぁ。人間らしさを感じることこそが最大の贅沢になる時代、詐欺師や怪しい宗教に引っかかる人がさぞかし増えるのだろうなぁという心配も増えますね。
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