『ぼくの図書館カード』 ウイリアム・ミラー 24-228-3254
ぼくは小さいころから、おかあさんやおじいさんからお話をたくさん聞いて育ちました。本当は本が読みたかったけど、家が貧しくて買えなかったので、拾ってきた新聞や雑誌のきれっぱしを読んでいました。
17歳になって、メンフィスのメガネ店で働けるようになりました。ずっと下働きだったけど、真面目に働いてお給料をもらえるようになりました。あとは、本が読めるようになればいいんだけど。本当は図書館で本を借りて読みたいのだけど、1920年代のメンフィスでは、黒人は図書館で本を借りることができなかったんです。
そこで、お店の先輩の白人のフォークさんにドキドキしながら「フォークさんの図書館のカードを貸してもらえませんか」とお願いしたんです。彼は他の白人とは違って僕の話を真面目に聞いてくれる人だから、わかってくれました。「他の人には内緒だよ」と快くOKしてくれました。
ぼくはフォークさんの図書館カードで本を借りて、世界中の作家が書いた本を読むことができるようになったんです。
この絵本は、この本の主人公リチャード・ライトの自伝「ブラック・ボーイ」の一場面なのだそうです。100年前のアメリカでは、図書館はおろか、公園も広場も黒人は使用することができなかったそうです。
そんな白人たちに怒りを覚えつつも、そんな考え方しかできない人たちなのだと割り切り、その中にもフォークさんのように自分たちに理解を示してくれる人もいるということに希望を持てたからこそ、主人公の青年は作家として世に出ることができたのです。
現代社会は、当時よりはマシになったけれど、まだまだ差別だらけの社会です。だからこそ、この絵本を1人でも多くの人に読んでもらいたいと思います。図書館カード一枚で、人生が変わるということを知って欲しいのです。
3254冊目(今年228冊目)
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