『考えたことなかった』 魚住直子 24-245-3271
ある日、ネコに声をかけられた。
「わたしは、未来のおまえなのにょー。」
このままだと、おれの将来、たいへんなことになるらしい。
そのネコがいうには、自分はみんなに見捨てられて、もうすぐひとりで死ぬ運命なんだって。だから若い頃の自分にそうならないようにって伝えたい!と思っていたら、自分の意識がネコに乗り移ったらしくて、今ここにいるって言うんです。そう言われても、颯太くんは自分のどこが悪くてそうなるのかが全然わかりません。
中学3年生の颯太くんは、自分はふつうに暮らしているって思っています。でも、あのネコに声を掛けられてから、「あれ?」って思うことが増えたんです。
おじいちゃんの家に行くと、おばあちゃんはいろいろと忙しそうなのに、おじいちゃんは何もしないで新聞を読んでいるだけで、それは当然であるって顔してる。
みんな仲良くって言いながら、学校の成績では競争させられているんだな。
おじいちゃんの家に行くと、おばあちゃんは妹だけにあれやって、これやってって言うから嫌なんだっていう妹の発言に、自分はそんなこと言われたことないのに、なぜ?って思います。
そんな風に、「今までそんなこと考えたことなかった!」ということがたくさんあることに気づいたんです。
園芸少年が面白かったので、図書館で魚住さんの本を探してみたら、この本が見つかりました。これもまた面白いテーマです。
今までそれが当然って思っていたことが、そうじゃなかったんだとわかって、あれもこれも、ただの思い込み?と思えることにたくさん気づくようになった楓太くん。
こういうことって、たくさんあるんだよなぁ。楓太くんはおじいちゃんにも気づいて欲しいなって思うようになります。だって、おじいちゃんは何にも感じてないみたいだから。
3271冊目(今年245冊目)
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