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『生きのびるための「失敗」入門』 雨宮処凛 24-223-3249

Ikinobiru

生きのびるための「失敗」入門

14歳の世渡り術

雨宮処凛(あまみや かりん)

河出書房新社

 現代の日本では極端に失敗をおそれる気持ちが広がっています。その一端としてよく言われるのが「人に迷惑をかけないように」という言葉です。「迷惑をかけない範囲なら何をしてもいい」って言われても、そんなこと無理なんです。だから何もできなくなってしまう。

 わたしたちが赤ちゃんだったとき、親や家族や保育所の人に迷惑かけてるじゃないですか。それでいいんですよ。大人になったって基本的なところは変わらないんだから。必ず誰かのお世話になっているんです。歳を取ってから「子どもやいろんな人に迷惑をかけたくない」といって孤独死してしまう人がいるけど、よく考えてみたら、その方がよっぽど迷惑なことです。

 

第1章 失敗や挫折は一生の仕事のエネルギー 作家 あさのあつこさんに聞く
 あさのさんが語るのは、「親の期待と干渉が子どもを追い詰める」ということです。親は子どもの為と思ってやっているけれど、それが大きなお世話であることが多いのです。親との話し合いも必要だし、それでも理解してもらえないなら「親を捨てる」(実家を出る)ということを真剣に考えなければなりません。

 

第2章 人生の経験値は、失敗することで上がっていく 元ひきこもり、元醜形恐怖、元アルコール依存症 月乃光司さんに聞く

「それで私も、自分がこういうふうにして生きられなくなったという話をするようになったんですね。そうしたらみんな共感して笑ってくれる。それがものすごい癒し効果というか、俺、受け入れられてるじゃんって。これまでの人生で、そういう経験がほとんどないので、初めて、この場所は俺が坐っていい場所だって思えたんです。それが生きられるきっかけになりました。」

 自分はダメだダメだと思っていると、自分が何に困っているのかを誰にも相談できません。自分がこれまでやってきたことを赤裸々に話してみると、意外と「自分も同じようなことをした」というような共感を得ることができるのです。それによって自分が救われる。それを聴いた人も救われる。ということなのです。

 

第3章 弱さをさらけ出すことで幸せになれる 〈弱いロボット〉の研究者 岡田美智男さんに聞く
 熊谷晋一郎さんの「自立とは、依存先を増やすこと、それを分散させておくこと」という言葉を紹介してくれました。しっかりしていない、頼りないから、助けたくなるという気持ちって忘れがちなことなのです。

 

第4章 極寒の北極で失敗しても死なない男 探検家 角幡唯介さんに聞く

あるインタビューで「探検は社会の役に立っていないのでは?」という質問を受けた。
「そういう視点が全くなかったので、ちょっとびっくりしましたね。何かの役に立つっていうのは生産側の理論じゃないですか。冒険や探検は、社会に組み込まれない個人の生き方を貫きたいからやるわけで、社会の役に立つとかは関係ない」

 生産性とかコスパとか、どうしてそんなことでしか評価できなくなってしまったのでしょうか。面白そうだからやってみる、見たことがないから見に行く、そういう気持ちを忘れてしまった人は、何が面白くて生きているんだろう?


第5章 「迷惑をかける練習」をしよう 臨床心理士 東畑開人さんに聞く

最近考えが変わりました。「推し」っていのはまさに良い意味でのアヘンなんじゃないかと。今のこの希望を持ちにくい世の中で、何かを信じる、何かよいものが世界の何処かにあると信じて愛情を注ぐというのは素晴らしいんじゃないかと。それはケアと近いかもしれませんね。現実は辛い、だけど、かりそめでも助けになる。そういうものを持てることは心をサバイブさせていくうえで深い価値があるって思うようになりました。

 

第6章 他人の決めた「意味がある」に振り回されない オタク女性ユニット 劇団雌猫さんに聞く

 お金がないという問題と、親からの弾圧

 

第7章 一番幸せなことは、死なない程度に「安心して」失敗できること
 NPO法人「抱樸」代表・奥田知志さんと元野宿のおじさんたちによる座談会
 奥田さんは、あの「累犯障害者」の男性が出所した後、彼が運営する施設で受け入れた人です。

「失敗したっていいじゃないか。失敗してもやることに意味がある。失敗しても、カバーしてくれる人がたくさんいる。今までずっと失敗してきたけど、今助けてもらってるから、こうやって笑えてる。失敗を悔やんで何もしなかったらそれこそ前に薦めないから、とりあえずやってみないと。あと、自分が「助けた」って言えなかったのは、言っても悪いように帰ってくると思ってたから。でも、「助けて」って言ったら助けてもらえた。

 

 この本は中学生向けの本なのですが、大人も一緒に読まなければいけない内容だと思います。大人たちが押し付けた価値観によって潰されてしまう青少年は、そのまま大人になり、また次の世代に押し付けを繰り返します。

 そんなことしなくていいよ、そんなこと気にしなくていいよ、そう言って、あとは本人の好きにさせていくことが、親や大人たちの役目なのに、つまらない邪魔ばかりする人が増えているのが、今の日本の一番困った部分なのだと思います。

3249冊目(今年223冊目)

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