『きまぐれロボット』 星新一 24-243-3269
気まぐれロボットを初めて読んだのは中学生のときでした。今回再読してみて思ったのは、意外と古さを感じないなぁということでした。それは何故なのかなぁと考えてみると、登場人物に科学者が多いこと。ロボットやロケット、宇宙人といったものの登場の仕方がさりげない感じだからなのかもしれません。
ショートショートだからたくさんの話が収められていて、その中で薬やロボットの話がかなり多いですね。お父様が星製薬および星薬科大学の創設者である星さんにとって薬というのは身近なものだったので、よく登場していたのでしょうか。「薬やロボットによって、人間の生活が快適になる未来」が明るいものだとみんなが信じていた時代に、「いい事だけじゃないんだよ」という部分をかなり書かれていて、そういう目で未来を見ていた星新一とはすごい人だったのだなと感じました。
宇宙人もかなり登場しますけど、そのほとんどが友好的な感じです。実は宇宙人=外国人ということだったのかなぁって思ったりして。
登場人物のエヌ氏やエス氏が、ビックリするような体験をしているはずなのに、妙にあっさりとしたリアクションであるところが、星新一独特の世界感なのかな?なんて思いながら、あっという間に読み終わってしまいました。
ところで、あとがきにもありましたが、この本が最初に出版されたときの挿絵は和田誠が描いていて、わたしが最初に読んだのもその本でした。
3269冊目(今年243冊目)
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