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『ホートン・ミア館の怖い話』 クリス・プリーストリー 24-266-3292

Hoton

ホートン・ミア館の怖い話
The dead of winter

クリス・プリーストリー
Chris Priestley

西田佳子(にしだ よしこ) 訳

理論社

英国

 マイケル少年は母を亡くし、ひとりぼっちになってしまいました。そんな彼の後見人になってくる人が現れたのです。その人は戦争のときにマイケルの父に命を助けられ、その恩を返そうとしているのだというのです。

 汽車と馬車を乗り継いで辿り着いたホートンミア館は、とても立派だけれど、マイケルはそこにいるおかしなものを感じ取ってしまったのです。こんな場所でクリスマス休暇を過ごすなんて嫌だなぁと思うし、できることならすぐにでもロンドンに帰りたいけど、後見人と話をしてからでなければ帰れないと、一緒に来た弁護士が言うのです。それなのに、彼は別の仕事があるからと立ち去ってしまい、ひとり残されてしまったマイケル。

 この館の主であるスティーヴン卿は、妻を亡くしてから体調がすぐれず、ずっと屋敷の塔にある部屋で過ごしていているのだそうです。彼の妹もこの館に住んでいて、とてもきれいな人だけど、何だかよそよそしい感じがしてしょうがないんです。

 庭や館の中では何だか得体のしれないものが飛び交っていたり、変な音がしたりするのですが、マイケルがいくら訴えても誰も信じてくれません。肝心のスティ―ヴン卿と話をする機会もないし。

 

スティーブン卿はなんのためにぼくをこの館に呼んだのか。いつまで我慢すれば、その答えがみつかるのか。

 

 このシリーズ初の長編なのですが、全編を通してただよう不安感が何ともいえず怖いです。こんな館から逃げ出したいと思っても、道は雪に閉ざされているし、後見人は何を考えているのかわからないし、この館にはあやしいものが憑りついているし、八方ふさがりのマイケルです。

 このお話はスリラーなのかな?と思って読み始めたのですが、それだけではない話の展開に驚いてしまいました。

 それにしても、この作者が書く世界は、子ども向けじゃないなぁって気がします。

3292冊目(今年266冊目)

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