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『マンガで読む地政学』 パスカル・ボニファス、トミー 24-255-3281

Tiseigaku

マンガで読む地政学
GEOSTRATEGIX

パスカル・ボニファス 文
Pascal Boniface

トミー マンガ
Tommy

大西愛子(おおにし あいこ)訳

鈴木悠介(すずき ゆうすけ)日本語版監修

 日経ナショナルジオグラフィック

 どうしてそんなことが起きるの?!ばかりの世界情勢ですけど、この本はそういう疑問の根本から説明してくれます。

 以前から興味があった「インドとパキスタンの分割について」の答えがとても分かりやすく書かれていました。だって、2つの国なのに3カ所「西パキスタン ー インド ー 東パキスタン(バングラディシュ)」という分割の仕方はどうにもおかしいじゃないですか。

 

 1つの国の中に民族が混在していたので、分割は激しい暴動の中で行われ、内戦が始まったのです。160万人が移動し、200万人が亡くなった。って、それだけでもタイヘンなこと。更に、イスラム教徒が多数派のカシミールは西パキスタンへの帰属を望んだけれど、カシミールの藩王ハリ・シングはヒンドゥー教徒だったので、インドへの帰属を求めたとはねぇ。それが現在のカシミールの紛争(インド・パキスタン・中国)につながっているのですね。

 

 1964年の東京オリンピックの入場行進を見ていて、わたしはカラフルな衣装を着たアフリカ諸国に驚いたことを覚えています。この本にも、1960年代に独立した国が多いことが書かれていました。英国やフランスなどヨーロッパが統治していた国々がアフリカにはたくさんあり、それらの国が独立したのです。あの頃が、植民地の終わりを告げる時代だったのです。

 英国とアルゼンチンの間に起きたフォークランド紛争は、南米と旧統治国の問題です。こういうことって日本ではなかなか語られないけど、国際的に考えればかなり大きな問題です。

 

 この本に登場するのは、自国(あるいは自分)の欲しかない国家のリーダーばかり。普通の人たちにとっては平和こそが一番大事なことなのに、トップがこんな人たちばかりだから、いつの時代も戦争がなくならない。そういう構図なのだということが良くわかる本です。文字で読んだらかなり時間がかかりそうな内容が、マンガのおかげで頭にすっと入ってきます。

 

 だから、アラブ諸国とイスラエルの問題とか、イスラエルと米国の特別な関係とかは根が深くて、これからもずっと火種のままであり続けることが確実だなと確信してしまいます。更に、ロシア系イスラエル人が多いのはなぜかという問題もあって、ああ、頭が痛いことばかり!

 こういうのを中学校の社会の副読本にしてくれたら、世界に対する理解が深まると思うのだけど、刺激が強すぎかしら?

3281冊目(今年255冊目)

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