『地雷グリコ』 青崎有吾 24-252-3278
地雷グリコ
青崎有吾(あおさき ゆうご)
KADOKAWA
第77回(2024年)日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門
第24回(2024年)本格ミステリ大賞小説部門
第37回(2023年)山本周五郎賞
第171回(2024年上期)直木賞候補
高校一年生の射守矢真兎(いもりや・まと)は、一見やる気のない女子高生なんだけど、勝負事にはやたらと強い。本人から勝負を挑むことはまずないんだけど、彼女の勝ち方を見た人は、みな愕然とするのです。
この作品の中心となるのはオリジナルのゲームです。元になっているのはジャンケンとか、だるまさんがころんだとか、誰でも知っているものなんだけど、1つ要素を加えることで、まったく違うゲームになってしまうのです。
たとえば「自由律ジャンケン」の場合、グー・チョキ・パーの他に自分でオリジナルのハンドサインを作ってそのルールを設定するのです。ジャンケンは2人で勝負ですから、2つのオリジナルルールがあって、その両方を知っているのは審判だけという、想像力と観察力をフル回転させなければならない複雑なゲームになってしまうのです。
それにしても、よくこんなこと思い付くなぁってゲームの数々に感心してしまいました。
青崎さんの作品に登場するのはいつも高校生なんですけど、今回もとんでもないことを考えている高校生が何人も登場します。のほほんと生きているようで、結構シビアな世界を生きている高校生の一面も見えて、面白い作品でした。
この6篇が収められています。
・地雷グリコ
・坊主衰弱
・自由律ジャンケン
・だるまさんがかぞえた
・フォールーム・ポーカー
・エピローグ
3278冊目(今年252冊目)
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