『遺体と火葬のほんとうの話』 佐藤信顕 24-273-3299
著者の佐藤さんは、いわゆる「葬儀屋さん」です。人間生まれれば必ず死ぬのですから、必ず最後にお世話になる大事なお仕事をされている方です。
昔は、他人が死ぬのも、お葬式も自宅でというのが普通でした。でも今の社会では、人が死ぬのは病院で、お通夜や葬儀は葬儀場でというのが普通になってしまっています。ですから、遺体のこととか、葬儀のこと、火葬のことを、身近な誰かが亡くなって初めて考えることが増えています。それゆえでしょうか、おかしなデマとか偏見が生まれてしまうのです。
例えば、火葬場でご遺体を焼いてある程度形が残った骨にするのですが、「骨が粉になってしまうほど焼いてしまうのだ」というデマを流す人がいたり、火葬場や葬儀場に幽霊がいると信じている人がいたり、根拠のない話を流布する人が意外と多いのだそうです。そのせいでお骨を持ち帰るのを拒否する人がいたりして、いったいどうなってしまってるのかしら?
火葬をする方からのお願いとしては、ペースメーカーが入っている場合は、それを伝えてほしいのだそうです。高熱で破裂するので、それによって火を確認するための窓が破損して、係の方が怪我をしたこともあるのだそうです。前もってわかっていれば、それなりの対応をできるからとのことです。
お金や金属などを一緒に燃やすと、化学変化で骨に色がついてしまうこともあるそうです。
そして、最後に着せる服はご本人が好きなものということで、基本的には何を着せてもいいのですが、ある方が着ていたダンスの衣装にビーズやスパンコールがついていて、その中にガラスがたくさん含まれており、溶けたガラスが骨や、下の台車にくっついてしまって大変なことになったことがあるそうです。そういうことって、考えたことなかったなぁ。
最後に、葬儀のお仕事をされている立場としていえることは、「自殺は絶対にダメ」ということだそうです。家族や友達につらい思いを残してしまうから、自殺は絶対にしてはいけないと強くおっしゃっています。
「富士の樹海だったらみつからないだろう」なんて言う方がいるのだそうですが、最終的に誰かが探しに行くしかないのです。それに、行方不明の家族を抱える身になってください。あなたは良くても、それによって傷つく人がいるということを忘れないで欲しいのです。
蛇足ですが、わたしの知人が富士山のたもとで自殺した時、携帯電話のGPSで場所が特定され、遺体を見つけたそうです。
遺体と火葬について、いろいろと知るにつれ、死とは身近なものなのだと、改めて考えさせられました。
3299冊目(今年273冊目)
« 『他人の家』 ソン・ウォンピョン 24-272-3298 | トップページ | 『骨風』 篠原勝之 24-274-3300 »
「ことば・コミュニケーション」カテゴリの記事
- 『英米文学のわからない言葉』 金原瑞人 26-61-3820(2026.03.03)
- 『なぜ日本文学は英米で人気があるのか』 鴻巣友季子 26-1-3760(2026.01.02)
- 『小さい“つ”が消えた日』 ステファノ・フォン・ロー 25-356-3752(2025.12.24)
- 『100日後に英語がものになる1日10分ネイティブ英語書き写し』 ブレット・リンゼイ 25-342-3738(2025.12.10)
- 『世界はラテン語でできている』 ラテン語さん 25-275-3671(2025.10.04)
「日本の作家 さ行」カテゴリの記事
- 『虹いろ図書館 半分司書のぼくと友だち』 櫻井とりお 26-156-3915(2026.06.05)
- 『イザベラ・バード、日出ずる国で妖怪に出会う』 白鷺あおい 26-154-3913(2026.06.03)
- 『恋愛論』 坂口安吾、しきみ 26-151-3910(2026.05.31)
- 『虹いろ図書館 司書先輩と見習いのぼく』 櫻井とりお 26-148-3907(2026.05.28)
« 『他人の家』 ソン・ウォンピョン 24-272-3298 | トップページ | 『骨風』 篠原勝之 24-274-3300 »




コメント