『ぼくの こころが うたいだす!』 アンドレア・ベイティー,、デイヴィッド・ロバーツ 24-269-3295
ぼくの こころが うたいだす!
AARON SLATER, ILLSTRATOR
アンドレア・ベイティー 作
Andrea Beaty
デイヴィッド・ロバーツ 絵
David Roberts
かとうりつこ 訳
絵本塾出版
NetGalleyJP
米国
アーロンは、おかあさんや兄弟たちから本を読んでもらうのが大好きでした。そして絵を描くことも大好きでした。大きくなったら物語を作る人になりたいと思っていました。
いよいよ小学校入学です。ここでワクワクするようなことが起きるぞって楽しみにしていました。でも、アーロンは悲しくなりました。文字がうまく読めないんです。2年生になっても、ほかの子たちのように字を読むことができないんです。どうしていいのかわからないアーロンは、目立たないように気にする子になっていました。
ある日、先生がこんな宿題を出したんです。「ほんとうにあったことについてさくぶんをかいてきてください。」
それはアーロンにとってとてもたいへんなことです。夜おそくまでがんばりました。
次の日、みんなの前でさくぶんをよんでくださいと言われたアーロンは必死に話します。みんな、その話を楽しんでくれました。でも、手に持った紙には何も書かれていませんでした。
わたしが子どもだったころには、識字障害なんて言葉すらありませんでした。「作者あとがき」によるとアメリカの15%~20%の人がこの障害を持っているのだそうです。きっと日本でも同じくらいいるのでしょうね。その他にも多動性障害とか、計算障害とか、目に見えない障害を持っている人が大勢います。でも、そのほとんどが気付かれずにいます。
昔の話ですが、ある家の女中さんが、真面目な子なのにとっても掃除が下手で、どうしてなんだろう?って思われていたのだそうです。後になって、その子が近眼だったということがわかったんだそうです。眼鏡をかけて、初めて「あら、こんなに埃があったのね」と気づいたのだとか。
人はひとりひとり違っています。何か障害を持っていても、それを言えないこともあるし。自分が障害を持っていることに気づかずにいることだってあります。だから、何かをできないことを非難するのではなく、どうしてできないのか?を周りの人が考えてみることって大事です。
アーロンは先生に気づいてもらえてよかった。
字を読むのはちょっとたいへんだけど、それとは関係なく、彼の才能はもっともっと伸びていくのでしょうね。
#ぼくのこころがうたいだす #NetGalleyJP
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