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『他人の家』 ソン・ウォンピョン 24-272-3298

Taninnoie

他人の家

ソン・ウォンピョン
Sohn Won-Pyong

吉原育子(よしはら いくこ)訳

祥伝社

韓国

 韓国と日本、とっても似ているんだなぁって痛感する話ばかり。家族という形に苦しむ人。老人が増えてしまって、外国人労働者に頼るしかないのに、彼らへの待遇は低いまま。子どもが欲しくて妊活したけど、上手くいった人、いかなかった人。

 人助けをしたばっかりに大けがをしてしまった兄とともに生きる「箱の中の男」は重いけど、とても大事なことを語っているのだと思います。弟が遭遇した事件が、「アーモンド」のヨンジュとつながっていたのにはビックリ!

 「アリアドネの庭園」は、きっと来るであろう近未来の世界です。怪物が出てくるより怖い話です。

 そして表題作の「他人の家」。勝手にシェアハウスにしてしまったマンションの一室の話は、重いなぁ。住居問題が深刻な韓国では、きっとこんなことが日常的に起きているのでしょうね。といっても、日本でも他人ごとではありません。シェアハウスにずっと住み続ける人もいれば、シェアハウスにすら住めない人もいる。貧富の差は益々大きくなるばかり。

・四月の雪
・怪物たち
・zip
・アリアドネの庭園
・他人の家
・箱の中の男
・文学とは何か
・開いていない本屋

3298冊目(今年272冊目)

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