『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』 椰月美智子 24-301-3327
小学6年の拓人、忍、宇太佳は、いつも一緒にスケボーをやっているんだけど、最近、いろんな場所がスケボー禁止になって困ってたんです。やっと見つけた場所は神社で、そこには管理人の田中さんという85歳のおじいちゃんがいました。
興味を持った田中さんがスケボーに乗ったのは良かったんだけど、転んで手首を骨折してしまったんです。事故の責任を感じた3人は田中さんのお世話をすることになりました。
最初は面倒くさいなぁって思ったんだけど、田中さんのお世話をしたり、話をしているうちに、田中さんが良い人だなぁってことがわかって来て、気がついたら毎日田中さんに会いに行くようになりました。
3人は、田中さんから戦争の話を聞きました。彼が11歳の時、この神社のあたりに爆弾が落ちて田中さんのお母さんと妹さんが亡くなったこと。田中さん自身も足にけがをしたこと。お父さんとお兄さんは戦争で亡くなっていたので、田中さんはひとりぼっちになってしまったこと。それはとても衝撃的な話でした。11歳といったら、今の自分と同じ歳じゃないか!
戦争のことを学校で勉強はしたけれど、それは昔あったことで、今の自分と関係があるとは思ってませんでした。でも、それじゃダメだって拓人たちは思ったんです。学校のみんなに田中さんの話を聞いて欲しいって思ったんです。そして、3人は行動に移しました。
今は85歳の田中さんにも11歳の時があったんです。その11歳の少年に起きたことを、自分事として考えることができた少年たち。こういうのが本当の勉強ですよね。今は自分のおじいちゃん、おばあちゃんから昔のことを聞くことがなくなってしまっているから、こういう体験談を聞く大事さを知らない人が増えてるのかなぁ。
わたしの父は東京大空襲の時、水道橋にいて、運良く助かったけど、大勢の人が死んで、それをよけて歩くのが大変だったこととか、後楽園球場(現在の東京ドーム)が畑になっていた話などを聞いたことを思い出しました。
戦争のことも、水害や地震のことも、それを体験した人の話を聞くってとても大事なことです。普通の人たちが、その時どうなったのか?その後どうしたのか?その記憶を残すことの大事さをを忘れてはいけないなと改めて感じる作品でした。
3327冊目(今年301冊目)
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